2009年2月1日日曜日

【第41回】ロボカップジュニア⑥


― ロボカップジュニアの教育的意義 ―

小学生~高校生を対象にした他のロボットコンテストと異なった、ロボカップジュ二アが持つ特徴としては、以下の点が挙げられるかと思います。
○地域限定ではなくジャパンオープンや世界大会といった上位大会が用意されている
○世界の教育学者がデザインしている唯一のロボットコンテストである
○世界の子供たちが共通の課題に取り組む
○自律型ロボットのコンテストとして最も難しい課題が設定されている
○サッカー、レスキュー、ダンスの中から自分に合ったチャレンジを選択できる
○ロボットを研究開発している大学の研究室や企業の最先端のロボットが見られる
(ジャパン・世界/場合によっては、質問をするとかなり丁寧に説明をしてくれます)
○ロボットの説明や開発過程を書いたプレゼンテーションポスターなどでお互いの技術を公開し、学び合う場が設けられている
○他の地域、他の国のチームと組んで競技を行ったり、ジュ二アパーティーが催されたり、子供たちの交流の場が設けられている(ジャパン・世界)
そもそもコンテストとは、「日頃積み重ねてきた学習の成果の発表であり、最高の学びの場である」と考えています。ロボカップジュニアの活動を通じて、生徒たちに学んでもらいたいのは、科学技術に対する理解は当然のこととして、
・自発的な活動姿勢
・自主自立の精神
・高い目標設定とそれに向けて精一杯、粘り強く努力する姿勢
・試行錯誤しながら自らの頭で考え問題を解決する力とその手法
・正しい研究方法とPDCA(Plan-Do-Check-Action)よる開発方法
・研究成果の記録
・プレゼンテーションスキル
・チームワーク(メンバーを尊重し信頼して同じ目標に向かって責任を持って協力・分担する)
・人との交流 (他チームの同年代・先輩・審判・メンター)など。
何年もロボカップジュニアに取り組んできた生徒が、複合された課題を与えられた時に、課題を構成する要素を取り出し、それぞれにプライオリティ(優先順位)をつけ、派生する問題を潰しながら、その一つ一つを順序よくクリアしていく姿を脇でずっと見ていると、これまで単にレゴが好き、ロボットが好き、というだけだったように思えた生徒が、人生のどのような場面にも応用できる問題解決力を身につけたなーと、しみじみと感じ目頭が熱くなることがあります。問題解決型の総合教育として、全人教育(知情意を調和して備えている人物を育てる教育)を可能にする、実に有意義であり、子供にとってもインパクトの強い活動であると言えるのではないでしょうか?

ロボカップジュニアの精神
「大切なのは『勝ち負け』ではなく、
ロボカップジュニアの活動や経験を通して
『いかに多くのことを学んだか』ということである。」
― ロボカップジュニアのルールより ― 


To be continue・・・