2021年7月8日木曜日

【第161回】コロナから子供の心を守ろう!

 

~ コロナ禍が子供たちの心と夢に与える影響は? ~

 

東京オリンピックの開催が迫る中、東京の感染者数は増加に転じ、ワクチン接種も期待されたほど進んでおらず、東京都は4回目の緊急事態宣言は発出されることになりました。今回は、7/12~8/22と一か月以上に及び、東京オリンピック開催期間だけではなく、子供たちの夏休みのほとんど期間が含まれます。子供たちが楽しみにしている夏休み、そして素敵な思い出が残せるはずの夏休み―その夏休みに行動規制がかかることになります。子供たちの心にどんな影響を与えるのか、不安を感ぜざるを得ません。

新型コロナウイルスの流行が子供たちに及ぼす影響について国立成育医療研究センターがアンケート調査を行っています。今年2/19~3/31に行われた第5回調査報告では、「コロナのことを考えると嫌だ」が42%「すぐにイライラしてしまう」が37%「最近集中できない」が32%などとなり、何らかのストレスを感じているとみられる子供は全体の70%に上ったということです。

 

 

 

 

 

また、日本語版「KINDL-R」尺度(子供のQOL[=quality of life]を評価する尺度)により身体的健康と精神的健康を測定したところ、第1回調査(昨年5月)と比べ、身体的健康は全般的に低下傾向にあり、精神的健康は小1~3は微増、小4~6は横ばい、中高校生は低下傾向にあります。同センターの半谷まゆみ医師は「1回目の調査から子どもたちのストレスの状態は改善していない傾向だ。コロナの影響が思った以上に長引き積もってきた負担が心や体の健康に響いてきている可能性がある。少しのサインも見逃さず子どもが困っていたら一緒に解決する方向に持って行くことが大切だ。」と述べています。しかし、「先生や大人への話しかけやすさ・相談しやすさ」については「減った」との回答が51%に及んでいます。「友達と話す時間」が「減った」との回答も46%に。

一方、「家族と話す時間」は、「減った」が42%、「増えた」が40%とどちらも増えていますが、保護者へのアンケートでは、53%が子供と過ごす時間が増えたと答えています。3/17に発表された第一生命保険の第32回「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査結果(https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf)では興味深い結果が出ました。小学男子は1位会社員・2位ユーチューバー・3位サッカー選手、小学女子は1位パティシエ・2位教師/教員・3位幼稚園の先生/保育士、中高生男子は1位会社員・2位ITエンジニア/プログラマー・3位公務員、中高生女子は1位会社員・2位公務員・3位看護師。小学男子で会社員が1位、女子でパティシエを選んだ理由として、第一生命保険は、男子は「コロナ禍でリモートワークが進む中、自宅で仕事をするお父さん・お母さんの姿を目の当たりにし、会社員という職業を身近に感じた子どもが多かったのかもしれない」、女子は「コロナ禍のステイホーム期間に家族とお菓子作りを楽しんだ子どもたちも多かったのではないか」と推察しています。コロナ禍は子供の夢の変化にも影響を与えているようです。

コロナ禍でストレスを感じているのは日本の子供たちだけではありません。WEBサイト「新型コロナウイルスから子どもの心を守る。WHOから世界中の保護者たちへ」https://covid-19-act.jp/parenting-who/)では、WHO(世界保健機関)が世界の保護者に向けたアドバイスを発信しています『1対1の時間』『肯定的でいましょう』『新しい日課を作る』『悪い行い』『焦らずにストレスマネジメント』『新型コロナウイルスについて話をする』という6項目を分かりやすく解説しています。ご一読なさると何かの参考になるかもしれません。また、前述の国立成育医療研究センターでも、「第5回【コロナ×こどもアンケート】こどもが考えた『気持ちを楽にする23のくふう』」https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/cxc05_coping20210525.pdf)を公開しています。子供たちがどのようにストレスを発散しているのかを知ることも、子供と接するときのヒントになるかもしれません。

 

トゥルース・アカデミーは例年通り、「夏休みサイエンス講座(夏期特別授業)」(http://truth-academy.co.jp/2021summer/)を開催し、科学・算数・工作・レゴ・ロボット・プログラミングと多彩な内容をラインナップして、子供たちが生き生きと楽しく学ぶ場を提供します。周りに興味のあるお友達がいらしたら、ぜひお誘いください。一人でも多くの子供たちに私共の授業を届けられたらと願っております。

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳