2013年3月12日火曜日

トゥルースの視線【第76回】


リケジョ(理系女子)の時代到来?①
-期待される理系女性の社会進出-


「リケジョ、カモン!大手メーカー、理系女子採用に力(2/7朝日新聞)
社員が男性ばかりだと考え方が偏りがちになり、新しい発想や製品が生まれにくいので、大手重電や自動車メーカーが大学・大学院で学ぶ理系女子の採用に力を入れている。
三菱重工では、技術系の新卒200名を採用しているものの女子は数%。そこで、今年1月下旬に初めて理系女子向けの会社説明会を開いたとのこと。

「もてもて理系女子、広がる活躍の場」(昨年6/17日経新聞)
かつては生真面目でとっつきにくいようなイメージがあった理系女子も、活躍の場が社会に広がるにつれ、後輩や男性から「かっこいい」とみられ始めている。厳しい就職環境の長期化や人生設計に対する漠然とした不安が「理系」の再評価につながっているのではないか、とその理由を分析。実際、女子の4年制大学進学率が上昇し男女差が年々縮んでおり、高学歴・専門志向が高く、理工系分野を選ぶ女子も増え、2011年度は7.6%が大学院に進学しています。

2011年10月発行の米国の物理化学専門誌「The Journal of Physical Chemistry」に、茨城県立水戸第二高校を卒業した女子学生らの論文が掲載され、理系女子への注目が集まり、各メディアで「リケジョ」の快挙として報じられたのが「リケジョ」の言葉の始まり。今、理系分野での女性の活躍は大いに期待されています。

独立行政法人科学技術振興機構(JST)が運営する女性研究者の活躍促進を図る『男女共同参画』(http://www.jst.go.jp/gender/index.html)には理系女性研究者等のロールモデル集「理系女性のきらめく未来」が掲載されています。その巻頭言「Shaping the Futureで、小舘香椎子・日本女子大学名誉教授は次のように述べています。
「国際競争も一層厳しくなることが予想される中、少子高齢化が急速に進む日本では、女性の能力を十分活用するとともに、活躍の場を作ることが急務です。とりわけ、資源の乏しい日本で、これまでの科学技術創造立国を維持・強化し、多様な視点や発想を取り入れながら発展を続けるために、将来の基盤でもある科学技術の担い手・伝達役として、理系女性への期待がより一層膨らんでいます。大学で学ぶ優秀な理系女性が少しずつ増えてきている中、女性が元気にいきいきと活躍することで、社会全体に活気が生まれていることは、行政、産業界、そして大学・研究機関においても認められてきています。(中略)今こそ従来の考え方や生き方に縛られず、新たな未来の選択とグローバルな活躍にむけて『チャレンジ』しようと思い立つきっかけになることを祈ってやみません。みなさんの未来の夢が、理系分野で学ぶことによって、膨らみ、輝きを増しながら少しずつ形となって実現されていくことを、期待し応援しています。」

以前、ある生徒のお母様が女の子の赤ちゃんを抱えて私にこう言ったことがありました。
「先生、私、この子を絶対に理系に進ませます。日本の文系社会ではまだ、男だから、女だから、というのがあるけど、理系社会だったら速く正確にできさえすれば、そんなことありませんから」と。

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳