2018年5月26日土曜日

トゥルースの視線【第129回】

ここが違う!TruthのSTEM教育②
ー 教材が持つ可能性を最大限に引き出す授業 ー




 ブロック・サイエンスでは、レゴエデュケーション®の教材を使用しています。2000年10月から日本における第1期のレゴ教室としてSTEM教育をスタートし、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのカリキュラムをベースに、今の日本の子供たちに必要な教育とは何か?を日々模索しながら独自カリキュラムを開発してきました。その結果、ブロック・サイエンスには、3つの大きな特徴が挙げられるようになりました。

 特徴の1つは「問題解決学習」。具体的には、「困っている人・動物がいるので、その人・動物の問題を解決するための物を各ステップで使用しているブロック教材で作ろう」という課題です。①提示された絵の中にどのような問題があるかを発見する②解決策を考える(解決のための推論を立てる)③問題解決のためのオリジナルの作品を作る(試行錯誤しながらの創作活動)④なぜそれを作ったのか、どのような工夫をしたのかを発表する(プレゼンテーション)⑤実験によって問題が解決したかを検証する(作品の評価)、という流れ。これは、ブロックビルダーⅠ(年少)から導入を図り、ブロックビルダーⅡ(年中)では野生動物園を舞台に様々な動物が抱える問題を解決。ブロックビルダーⅢ(年長)以降では、「基礎理論のための実験→それを利用した現実社会に存在するモデルの研究→問題解決学習」という流れで行います。問題解決学習では調べ学習も行いますので、それまで学んだ知識や技術と、調べた情報とを基に問題を解決する、という正にPISAのいう「リテラシー」(知識や情報の活用力)を育成するのには極めて有効と考えています。



 2つ目の特徴は、キッズクリエーター(小1・2)以降、ステップが上がるにつれて「物理」が明確なテーマになっていくことです。様々なモデル研究を通して、機械力学の基礎の基礎をハンズオン学習で直接体験しながら学んでいきます。ジュニアエンジニア(小3~小6)やジュニアインベンター(小5~中1)では、中学理科で扱う「仕事とエネルギー」の概念を常に意識しながら学習を進めます。特にジュニアインベンターでは、空気圧や太陽光や風力エネルギーと仕事の関係を扱っています。だんだん研究室のような雰囲気になってきます。とある公立高校で同教材を使用したところ、これまでペーパーでしか学んでこなかった高校生たちは、「あ、こういうことか!」と大喜びしていました。Truthに通う子供たちは、理論に先立ち、楽しい思い出と共に実体験の引き出しをいっぱい作っているので、成長して理論を学んだ時にどこからでも引き出すことができます。各種ロボットコンテストで高い実績を挙げ、一流大学理系に進む卒業生が多いのは、この幼い頃からの実体験のためでしょう。


 3つ目は、「デジタルとの融合」。今はプログラミング教育全盛時代となりましたが、21世紀の理科教育に必要なものは「制御(プログラミング)」と「データロギング(実験データを取ること)」であると、ここ数年言われています。キッズクリエータⅡ(小2・3)からプログラミングによる制御が始まりますが、ジュニアエンジニアで
は各単元の最後にマインドストーム®を用いて、センサーを使った自動制御やデータロギングを行っています。自動ドアやコインの選別機を作ったり、振り子の等時性を調べたりといった活動です。さらに、ジュニアインベンターでは、プログラミングによる制御とデータロギングを同時に行い、データによってプログラミングを修正するといった活動も行います。例えば、ソーラーパネルの動きを制御し、効率よく発電するにはどのような動きをプログラムすればいいのか?発電量の変化をグラフで読み取って、効率が悪いところはどう修正すればいいか?など。


 教育力の圧倒的な差が、生徒たちが長く通ってくれて、対外的にも大きな実績を残し、卒業しても末永く付き合いが続く、大きな一因になっていると確信しています。Truthの教育に共感し信頼して下さっている子供たちや保護者の皆様の期待に、どこまでも応え続けたいと思っております。

トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳

トゥルース・アカデミー
http://truth-academy.co.jp/

2018年4月20日金曜日

トゥルースの視線【第128回】


ここが違う!TruthのSTEM教育①
― 社会的構成主義を実現する独自カリキュラムと指導 ―


 2020年から小学校でプログラミングが必修になることを受け、雨後の筍のように同種の教室が増えてきています。そのような状況の中、2000年からSTEM教育(科学・技術・工学・数学教育)を実践している当アカデミーが依然として他の教室と一線を画す特長はたくさんあります。

 その中で最も重要なのは、「社会的構成主義」という教育理論を実現している点です。現在世界の子供たちが求められている学力は、OECDが実施する国際的な学習到達度調査PISA=ProgrammeforInternationalStudentAssessment)が求める学力、いわゆる「PISA型学力」であることは周知の事実となっています。その育成に最も有効とされる教育が、PISAにおいて学力世界一を誇ったフィンランドの教育です。そして、フィンランド教育を世界一に導いたのが「社会的構成主義」と言わます。一言で言うと、「知識は固定的に教え込まれるべきものではなく、他者との協働の中で構成されていくと考える教育哲学」です。

 砕いてお話すると、「構成主義」とは、教師が一方的に知識を与えるのではなく、「学習者としての子供たちが自らの活動を通して自分自身で知識を構築し獲得できるようなものでなければならない」とする考え方です。これに「LeaningbyMaking(作ることで学ぶ)」という主張を加えたのが、マサチューセッツ工科大学メディアラボの創設者の一人、人工知能の研究者としても広く知られるシーモア・パパートが唱える教育理論「コンストラクショニズム」。パパートは、「デバグの効用」や「推論・実験・検証という正しい学びのサイクル」を唱え、プログラミング教育・ロボット教育の元祖であり、プログラミングソフトScratchの源やLEGOMindstorms®のアイデアを生み出しました。「社会的構成主義」とは、これを分断された個人が行うのではなく「他者との関わりで学ぶ」、すなわち、他の学習者と意見を交換したり刺激し合ったりしながら、その協働の中で知恵や知識を高め、自らの力で目標を達成させる、という考え方なのです。ここでは、教育者の役割はteacher(ティーチャー)やinstructor(インストラクター)として知識を与えることではなく、facilitator(ファシリテーター・促進者)やmentor(メンター・良き助言者)として学習者たちの活動を目標に向かって正しく進めるように導くことになります。

 「21世紀型スキル」を育成するには、プログラミング教育やロボット教育は不可欠です。しかし、ICTスキルの育成にだけ軸足を置いては、単なる教科の学習と何ら変わりはありません。創造力・イノベーション・批判的思考・問題解決・意思決定・学びの学習・メタ認知(認知プロセスに関する知識)・コミュニケーション・コラボレーション(チームワーク)・地域と国際社会での市民性等を含む「21世型スキル」やPISA型学力をも育成するには、「社会的構成主義」が避けては通れないと確信しています。そのため、既存のカリキュラムでは実現できないので、パイオニアとして、全カリキュラムと授業案、ワークシートをオリジナルで作成し、他にない指導を十数年にわたって実践し続けているのです。

 お蔭様で、Truthの授業を見学したり指導者養成講座を受講したりした学校の先生や教育関係者からは、「理論と実践が完璧に一致している」と評価をいただいています。また、教室での活動を拡大して行うNPO法人科学技術教育ネットワーク(略称NEST)では、ICTを活用した教育実践事例のコンテスト「ICT夢コンテスト」でも、「ICTを活用して社会的構成主義を実現する活動」として認められ、3年連続CEC奨励賞を受賞しています。

 Truthには、21世紀に求められる新しい教育があります。

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

トゥルース・アカデミーの理念
http://truth-academy.co.jp/philosophy/

2018年3月14日水曜日

トゥルースの視線【第127回】

高き目標を掲げよ!
~ Truthがロボットコンテストに参加する意味 ~

 最近の体験授業の際に、ごくたまに「Truthのロボット・サイエンスに入ったら、ロボコンに出なければならないのですか?」というご質問をいただきます。Truthの授業が専門的すぎると思われる方や、「勝敗を決めるコンテストに参加するよりも、楽に楽しくロボット製作やプログラミングを学ばせたい」と思われる方がいらっしゃるようです。Truthの生徒たちは現在、世界的なロボットコンテスト「ロボカップジュニア」や「ロボレーブ」、国内大会の「宇宙エレベーターロボット競技会」に出場しています。特に「ロボカップジュニア」では、地区予選(ノード大会)から始まって、関東ブロック大会、ジャパンオープン、世界大会と長期にわたる活動になる場合もあります。では、なぜ私たちは、時には苦しい思いをするかもしれないロボットコンテストに参加しているのでしょうか?

 ロボットコンテストにはそれぞれの競技のルールがあり、ルールを順守しながら課題を達成しなければなりません。ルールは世界の子供たちに向けての共通問題であり、各自がその問題に対して自分なりの回答を示す必要があります。その過程で様々なことを学び、自分の頭で考え、試行錯誤する、真の学習の在り方を身につけられます。また、ロボットコンテストは2名以上のチームで参加しなければならないので、自分だけが良ければいいというのではなく、チームメンバーと密にコミュニケーションを取ってチームワークを形成し、「チームのために自分は何ができるか? 何をすべきか?」を考えて行動しなければなりません。科学技術やプログラミング以外にも、社会に出てから必要とされる資質を身につけられると確信しています。



 ロボカップジュニアの開会式でもこれまで何度も述べてきましたが、「ロボットコンテストは、これまでの学習の成果を発表する場であり、教室の外で同じ志を持つ仲間との交流を通じての学びの場である」と、私は考えています。競技やコミュニケーション、他チームの作成したプレゼンテーション・ポスターを読むことを通じて、学びを深化させ発展させていく場です。教室から始まって、東京、関東・日本・世界と学習の場が広がっていきます。それだけでなく、子供たちが将来大人になって社会に出たとき、○○年のジャパンオープンに出たよ、○○年の世界大会に出たよ、というだけで、日本中に世界中に人的ネットワークを手にすることができるのです。

 ロボカップジュニアのルールには、「行動規範」の「精神」の項目に、『大切なのは「勝ち負け」ではなく、ロボカップジュニアの活動や経験を通して「どれだけ多くのことを学.ぶか」である』と記されています。その通りです。しかし一方で、元プロ野球選手の松井秀喜氏が言っているように、「負けることよりも勝つことの方が多くのことを学べる」というのも真実です。最初から「負けてもいいや」と諦めて臨むより、「絶対に勝つんだ!」という思いで臨んだ方が、学ぶことが多いに決まっています。子供たちには、高い目標を掲げ、自己の可能性が無限であることを認識し、その目標に向かって自らが責任を持ち誠実な努力を行うことを体得してもらいたい、と願っています。

 このような考えから、ロボット・サイエンスでは、ロボットコンテストに参加することを前提としたカリキュラム編成になっています。「分からないから何でも先生に聞けばいい」という安易に答えを求めるのではなく、主体的にどんな問題でも取り組み、先生からヒントやアドバイスをもらったり、自分でいろいろ調べたりして、自力で問題を解決できるように育って欲しいと思っています。Truthのロボット・サイエンスの講師は皆、小~高校生時代にロボット・コンテストに参加し、活躍していた者ばかりですので、競技やロボット開発、プログラミングに精通しています。また、開発の楽しみや苦しさも分かっています。競技で勝った時の喜びも負けた時の悔しさも分かっています。彼らが次の世代を育てるために後輩指導に当たってくれています。これが、Truthの代々伝わる文化、伝統となっているのです。


高き目標を掲げよ! 学習とは自らとの闘いであり、学力とは自らが生きてきた軌跡である。 
トゥルース・アカデミー


■ロボットサイエンス
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■ロボットマスター
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2018年2月15日木曜日

トゥルースの視線【第126回】

第13回競基弘賞授賞式に出席して
~ 若きロボット研究者の遺志をつないでいく 〜


 去る1/16(火)神戸市ふたば学舎(神戸市立地域人材支援センター)にて、「夢は見るものではなく、実現するものだ」という、NPO法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)会長・田所諭氏(東北大学教授)の力強い言葉で、「第13回競基弘(きそい・もとひろ)賞」授賞式は始まりました。

「ふたば学舎」は、1929年二葉尋常小学校としてその歴史をスタートさせ、1995年阪神大震災の際は構内に避難所を設置、2008年に小学校としての歴史に幕を閉じ、現在は「ふたば学舎」として市民の地域活動の拠点となっています。周辺被災地の記憶を中心に、阪神・淡路大震災の記憶と教訓を次世代に伝えるための震災体験学習なども実施しています。その1階に競基弘賞を主催するNPO法人国際レスキューシステム研究機構(略称IRS/会長:田所諭 東北大学教授、副会長: 松野文俊 京都大学教授)が事務局を置いています。

竸基弘賞は、1995年1月17日に阪神淡路大震災で倒壊したアパートの下敷きになり23歳の若さでなくなった、当時神戸大学大学院の博士前期課程1年生であった竸基弘氏にちなんで、レスキューシステムの研究開発に顕著な貢献のあった原則として40歳未満の若手の研究者、技術者を表彰し、研究開発を奨励することを目的とした賞です。この授賞式には、競基弘氏のご母堂、叔父様も出席なさり、当時競基弘氏を指導していたIRS副会長・松野文俊氏(京都大学教授)から震災当日の様子やできごと、訃報の知らせ、遺体発見の状況、葬儀の様子など、身につまされるような当事者の実体験が淡々と静かな言葉で語られました。


今回授賞式に参加したのは、昨年3月ロボカップジュニア・ジャパンオープン中津川大会で、レスキューLineのTruthチーム「Integrated Circuit(インテグレーテッド・サーキット)」(金廣理央・西澤英志・矢頭華蓮)が、「第十三回競基弘賞奨励賞・ロボカップジュニアIRS賞」を受賞したためです。平日なので3人とも出席できず、指導してきた講師の持田峻佑、メンターの畝本涼も参加できなかったので、私が代理出席した次第です。ロボカップジュニアIRS賞の受賞理由は、「周辺環境をより正確に把握するためのセンシングをLEGOとArduinoと異なるシステムを組み合わせて実現すると共に、構造的にも、直進安定性、全体の重量バランス、コンパクトなパッケージを両立させる設計に取り組んでいる。一方、被災者救済に結束バンドを使用するなど、アナログ/デジタルとの融合も視野にいれた工夫も取り入れており、システム全体として、シンプルでかつ、高い次元でのバランス取りを目指した設計に挑戦している取り組みを高く評価した」というものです。栄誉ある賞をいただいて、本人たちも指導した講師たちも光栄に感じています。奨励賞は、「レスキューロボットコンテスト奨励賞」に近畿大学ロボット研究会『レスキューHOT君』、「レスキュー工学奨励賞」には東北大学大学院の藤田政弘氏『房状ジャミング膜グリッパ機構』が受賞しました。


大賞である「第13回競基弘学術業績賞」は、橋本健二氏(早稲田大学高等研究所准教授)の『多様な移動方式が可能な災害対応脚型ロボットに関する研究』に贈られました。授与式の後、受賞記念講演がありましたが、その最後に研究に協力してくれた方々への謝辞があり、映し出されたプレゼンには、なんどTruth講師の名村圭佑の名前が!?幼稚園の年中から通い、ロボカップジュニアのジャパンオープンや世界大会にも出場、Truthで後輩指導ながらモンゴルの高専にもロボットを教えに行った名村君の名前が!レゴが好きで、ロボットが好きで、生徒として講師として18年間Truthに通っていた名村君が、研究室は大変だと言っていたものの、このような意義ある研究に携わっていることを知り、心より嬉しく感じました。

今回の「Integrated Circuit」のロボット開発が栄誉ある賞に輝き、先輩の名村君が最前線のロボット開発に携わっていることを考えると、やはりTruthにはロボット教育の歴史と実績、受け継がれる伝統があることを改めて実感し、万感の思いで帰京の途に就きました。

■ロボットサイエンス
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■ロボットマスター
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2018年1月1日月曜日

トゥルースの視線【第125回】

2018年新年のご挨拶
~ 新たな技術革新の時代に ―加速化する第4次産業革命 ~


大晦日に初雪が降るのは130年ぶりという東京。2018年は穏やかな元旦を迎えました。明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるのでしょうか? 

仮想通貨を物品やサービスへの支払い手段として初めて認める法律が国内で施行されるなど、「仮想通貨元年」と呼ばれた2017年とあって、年末年始の新聞は「ビットコイン」などの仮想通貨の台頭を報じています。「e通貨 現金を超える」(日経新聞)、「ビットコイン狂騒曲 買いが買いを呼ぶ 20倍以上高騰」(毎日新聞)、「仮想通貨長者 把握へ」(朝日新聞)…。昨年1月1ビットコイン=10万円前後から12月には一時200万円以上に高騰。2009年の誕生からは2000万倍に上昇しました。「億り人」と呼ばれる1億円以上稼いだ投資家も続出しているそうです。携帯電話を使って店舗での支払や個人間の送金も可能です。各国も無籍国の仮想通貨に負けてはならないと、独自の法定デジタル通貨の発行を検討し研究を進めているとのこと。1800年代から続く通貨の常識が今変わろうとしているようです。

このビットコインを支えるのが「ブロックチェーン」と呼ばれる技術。「ブロックチェーンとは分散型データベースを使った技術のことで、P2P型ネットワーク内で資産や取引履歴の記録を蓄積する仕組み。要は公開帳簿であり、そこでは誰が何を所有していて、誰が何を取引したのかが見られます。取引を暗号化して保護し、これが積み重なるうちに取引履歴がデータの塊であるブロックに閉じ込められ、続いてブロック同士が暗号でつながれて保護されるという仕組みです。これでネットワーク全ての取引を記録した、変更や改ざんが不可能な帳簿ができ上がります この帳簿が ネットワーク内の全てのコンピューターに複製されます」(政治家学者ベティーナ・ウォーバーグ『ブロックチェーンが経済にもたらす劇的な変化とは(TED)』)。P2P(Peer to Peer)は、サーバーを利用せず、対等のクライアント同士が直接データをやり取りする点が、従来の「クライアント/サーバー型」とは異なります。P2Pのメリットは、サーバーが必要ないため、柔軟なネットワークを構築できる点にあるとのこと。ウォーバーグは、経済活動を円滑化する役目を持つ銀行や政府といった中央集約型の機関の必要性をブロックチェーンが一掃し、古くからある商業や金融取引のモデルが、分散型で、情報透明性が高く、自立型の価値交換システムへと進化を遂げるだろう、と述べています。

また、未来学者ドン・タプスコットは、『ブロックチェーンはいかにお金と経済を変えるか(TED) 』において、機関によって集中管理されることにはハッキングされる危険性があることを説き、情報のインターネットは富を生み出したが、繁栄は共有されず社会的不平等が拡大し、これが様々な問題の核にあることを指摘します。ブロックチェーンという「価値のインターネット」を介して、1つの巨大な世界的分散台帳が何百万というコンピューター上で運営されていて誰にでも使え、お金から楽曲まであらゆる資産が強力な仲介者なしに、保持・移動・取引・交換・管理することができる。これよって、富の生成を民主化してもっと多くの人が経済に関わり、公正な富の分配が可能となることを、いくつかの実例を挙げて論じています。

ブロックチェーンは新しいネットワークになりそうです。これに加え、2020年を目標に次世代通信規格「第5世代(5G)」の研究開発が進んでいます。現行の4Gの100倍の実行速度、通信の遅れがわずか0.001秒。元旦の日経新聞では、5G時代を見込んでソニーが開発している「ニューコンセプトカート」という、ハンドルもフロントガラスもない車を紹介。東京の営業所から1600km離れた沖縄県にある車をゲームコントローラーで遠隔運転する実験を行っているそうです。大容量の映像をほとんど遅れることがなく伝達できる5Gだから実現できるのです。

さらに、ハード面での開発ももちろん進められています。それが、「未来の頭脳」とも呼ばれている「量子コンピューター」。量子力学の世界では、0と1が同時に存在できる「重ね合わせ」という現象が起きるのが特徴です。「0でもあり、1でもある」という状態で計算できます。ビット数が増えるほど飛躍的に計算でき、その速さは2のn乗倍(nはビット数)にもなります。カナダ企業が2011年、世界で初めて「Dウエーブ」という量子コンピューターを商品化し、スパコンの1億倍の速さだそうです。米IBMや米グーグルも開発を進めています。量子コンピューターが注目されているのは、人工知能の開発に欠かせない「機械学習」や「ディープラーニング」の計算処理の実態である「組み合わせ最適化問題」を高速に解ける可能性があるからだそうです。現在、各国がその開発にしのぎを削っているとのこと。

これらの技術が、AI(人口知能)がロボットに利用されることにより、さらに第4次産業革命は加速度的に進んでいくように思われます。実にワクワクする時代になりそうです。その一方で、このような時代に適合する教育とは何か?「デジタル・ネイティブ」と呼ばれる今の子供たちが将来において生き抜いていくために必要な教育とは何か?という模索も真剣に行わなければなりません。

2000年から新しい時代をリードしてきた当アカデミーは、子供たちに今後必要とされる能力を育てる教育を常に研究しながら、新しい教育に挑戦していきたいと存じます。

本年もよろしくお願いいたします。

http://truth-academy.co.jp/