2015年9月17日木曜日

ロボカップ2015中国大会報告

ロボカップ2015世界大会報告

-隣の国で過ごした、笑いあり涙ありの1週間-
 

 
  去る7/18()7/22()、三国志に記された合肥の戦いの舞台として有名な、中国の合肥(Héféi)Robocup2015世界大会が開催されました。合肥は上海空港からバスで片道約7時間かかり、昼間は晴天でも空一面がどんより灰色、夜間は様々な色のネオンが煌々と照らす地方都市です。四川料理や広東料理など日本でも有名な8大料理の1つでもある安徽料理が有名で、滞在期間中、美味しい料理を食べて過ごすことができました。

 
 
 会場の許容人数や参加国増加の関係で今年度は、各チャレンジから1チームのみが世界大会に推薦されるため、日本からは例年の半数である10チームが参加しました。当アカデミーからは、レスキューlineプライマリ「Ein(アイン)」、ダンスプライマリ「MFM(エムエフエム)」の2チームが出場しました。

 レスキューlineプライマリには、各国代表全20チームが参戦しました。1日目は調整、24日目の3日間は個別チームの競技が行われました。個別チームは、毎回フィールドが異なる8回のラウンドの内、最低得点を除いた7回の競技の合計点で順位を競います。今回の世界大会からレスキューlineのルールが大きく変わりました。まず、コースが2階建てではなくなり、上り坂、下り坂、障害物やギャップなど、パネルの組み合わせによって自由なコースが作られるようになりました。次に、被災者が缶ではなく、複数個の銀色ボールに代わりました。このように、日本大会までとは大きく異なるルールにどのチームも苦戦していました。昨年度はダンスチャレンジで世界大会に出場し、今年度からレスキューチャレンジに挑戦しているEinは、奮闘しましたが13位という結果になりました。
 

 
 5日目は2チームで組み、個別チームで行われるルールとは異なるスーパーチームの競技が行われました。Einはメキシコのチームと組み、ルールに合わせてロボットの機構も改良し臨みましたが、コースを走破できず6位でした。レスキューは年々難易度が上がっていますが、今年は特に難しくなった印象を受けました。今回の世界大会では、与えられた課題に対応する能力が今まで以上に求められており、上位入賞したチームは確実にそれぞれの課題を達成することができていました。日本国内の競技もRoboCup2015世界大会ルールに則るため、これからRoboCup Jr.に出場する皆さんも世界大会に向けて、各課題をクリアできるように頑張りましょう。
 

 
 ダンスプライマリーには15チーム出場していました。初日にはインタビュー、2日目3日目は個別チームの予選、4日目は個別チームの決勝、5日目はスーパーチームの競技といったスケジュールで行われました。MFMは個別チームの予選を1位通過し、上位6チームのみが出場できる決勝に進出できました。今回のダンスチャレンジは出場チームが例年より少ない関係で、「Performance Champion」、「Technical Champion」は用意されず、「World Champion」、つまり優勝チームのみが栄えあるチームとして称えられ、その他は8つの部門賞が用意されていました。決勝で、MFMは悔しくもイスラエルのチームに惜敗し、優勝を逃してしまいましたが、ロボットのデザインと機構が最も優れているチームに贈られる「Best Design & Construction」という部門賞を受賞することができました。恐竜が歩行すると観客からどよめきが聞こえ、演技が終わると盛大な拍手が送られ、MFM4人は満面の笑みでステージを去っていました。

 スーパーチーム競技では、スウェーデンとドイツのチームと共に、時代の移り変わりをテーマにした「Time Travelers」というチームを結成しました。英語が苦手なMFM4人でしたが、通訳の子に助けてもらい、なんとか意思疎通しながら取り組んでいました。残念ながら優勝できませんでしたが、異なる国の同世代の選手と交流できた、よい経験になったと思います。

 サッカーを見る時間はほとんどありませんでしたが、昨年同様、個別チームの競技はスイス方式で行われ、スーパーチームの競技は4 m×6 mのビックフィールドで55の試合が行われました。ロボットのレベルも高く、どの試合も大変盛り上がっていました。
 

 
 初日の受付から、大会側の準備不足で入場するのが2,3時間遅れたり、レスキューのインタビューが最終日まで行われなかったりと多々困難に見舞われましたが、生徒自身が運営本部に交渉しに行くなど、世界大会という雰囲気にも怖じけず、臨機応変に対応することができていました。このように何が起こるかわからないということも世界大会ならではの出来事でもあるため、開催国独特の文化などを学ぶ機会にもなったと思います。今年度は残念ながらジュニアパーティーが開催されませんでしたが、ステージ上で様々な国の選手が入り混じって踊ったり、競技後にシャツにサイン交換しあったりと、各々、交流を深め世界大会を楽しんでいました。
 

 
 中国の合肥に滞在中、夕食に行った際や会場周辺を散策した際などで、現地の人と話したり、本場の中華料理を食べたりと、中国の文化にも触れることができた1週間でした。

そして、大きな病気や事故にもあわず、皆無事に帰国することができました。同行いただいたご父母の皆様の多大なるご協力があってこそ、無事乗り切れたと思います。改めて心より感謝申し上げます。今回世界大会に行った皆さんは、日本代表として出場した貴重な経験をこれからの人生で活かして、大いに活躍してくれることを期待しています。
 
 
MFM・Einメンター 瀬戸 匠


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