2005年3月1日火曜日

【第6回】― コンストラクショニズム⑤ ―


クラス授業におけるコンストラクショニズム(1)

これまで、子供個人個人の学びにおける「コンストラクショニズム」の側面に焦点を当ててをお話してきましたが、実はクラス授業運営の方法論という側面も持っているのです。

構成主義(コンストラクショニズム)的認識論に基づく算数数学教育論・授業構成論を研究する広島大学院・中原忠男教授は、次のように提唱しています。『構成主義の基本的なコンセプトは「子どもたちは算数的知識を自らの構成によって獲得する」というものである。算数の学習を「学習者が主体的活動を通して、算数的知識を構成し、批判し、修正し、そして合意に達したものを協定し、選択していく過程」と捉えている。そして、こうした算数の学習観に基づいて、導入問題を工夫し、表現方法、相互作用、反省的思考を重要な方法論に位置付け、基本的な算数の学習過程として「意識化」「操作化」「媒介化」「反省化」「協定化」の流れを設定している、このような考えに基づく算数教育へのアプローチを「構成的アプローチ」と呼ぶ。』

「構成的アプローチ」とは、①「生きた」知識の学習②文脈に埋め込まれた学習③コラボレーションによる学習、という3つの概念がキーワードとなります。③の「コラボレーション」(「批判し、修正し、協定し、選択していく過程」)は、授業内に生徒同士が互いに刺激し合い、意見を出し合い積極的に行われるものです。実は、この点が、これまでとは全く異なったクラス授業の在り方を示しているのです。

毎年、杉並区主催の「ロボット教室」を担当し、小学3年生から中学3年生までの30人のクラス授業を行っていますが、見学している学校の先生方が、「子供たちがあんなに熱中する姿を見たことがない」と驚かれるのも、コンストラクショニズムに基づくクラス授業を実践しているからに他なりません。

次回は、もう少し具体的に、このクラス授業の在り方をご紹介します。


To be continue・・・