― ITC教育の最前線 ―
去る1月13日~16日ロンドンのケンジントンにあるオリンピアという展示会場で、ヨーロッパ最大級の教育展示会である『BETT2010』が行われました。欧米の子供たちはどんな教材で学んでいるのか?当アカデミーでも生徒たちに提供できる教材はないだろうか?と思い、見に行ってきました。ヨーロッパ全域から(アフリカからも)学校の先生たちが最寄りの小さな駅に続々と集まってきます。“the world’s largest educational technology event ”と銘打っているだけあって、おびただしい種類のICT (Information and Communications Technology:情報通信技術) を利用した教材が展示されていました。
中でも多いのは、教材および教材作成ソフトウェア。IWB(Interactive Whiteboard)と呼ばれる電子黒板は、今や教室では当たり前の時代になっているとのこと。IWBはパソコンの画面を大画面で映し出すこともでき、映し出したPC画面に文字を書くことも、直線や図形、様々な画像、アニメーションや音声を活用することもできます。また、書いた板書をファイル変換し、そのままパソコンに取り込めるものまでありました。このIWBの普及により、授業や先生の教材作成を支援するソフトウェアが求められているという事情があるようです。様々な素材も用意されており、既成のものだけではなく先生が自分の意図する授業が実現できるよう、自由にカスタマイズできるものも結構ありました。これらは先生の負担を減らすと共に、授業の質を上げる効果があると思われます。また、全英の先生たちをトレーニングしたり、授業サポートをしたりする団体も出展しており、先生の質や授業の質を向上させようという体制や機器、コンテンツが豊富にあることを実感しました。
特に面白いと思ったのは、目には見えない分子の運動などの理科実験を様々な条件を変えてシミュレーションできるソフトや、地球や地球の大気の様子、月や太陽などの天体の表面などの映像をプラネタリウムのように球形のスクリーンに映し出す、「Digital Video Glove」と呼ばれる装置です。後者は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の最新データを取得して映し出すこともできるそうです。BETT訪問の前日に起きたハイチ地震の情報も映し出していました。
教室の風景が私たちが子供の頃とは大きく様変わりしているのを、ひしひしと実感しました。
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To be continue・・・ |
教育用レゴブロックや算数ブロック、ロボットなどの教材で学ぶ科学教室トゥルース・アカデミー代表の中島晃芳です。 このブログは、当アカデミーが月に1回発行しているお知らせ「Truth通信」に、2004年より掲載している「トゥルースの視線」をまとめたものです。 科学教育や算数教育、ICT教育、ロボット教育、ロボカップジュニアなどについて私の雑感を書き記しています。ぜひご一読いただければ幸いです。