NEST主催「ロボットの鉄人」報告
-高い目標が見えた!2泊3日のロボット開発合宿-
去る9月17日(土)~19日(月祝)の3日間、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、NPO法人科学技術教育ネットワーク(略称:NEST)主催「ロボットの鉄人2016」を開催しました。
「ロボットの鉄人」は2009年からスタート、2013年にはICTを活用した教育実践事例の全国コンテスト「ICT夢コンテスト」でCEC奨励賞を受賞、今年で8年目となりました。ロボカップジュニアのジャパンオープンや世界大会出場を本気で目指す子供たちを対象とする、2泊3日の合宿です。最大の特徴は、ロボカップOBの先輩たち(「鉄人」と呼びます)による指導。技術や開発手法だけではなく精神、文化を伝承していくことも、その目的の一つとなっています。
今回は、従来の「初心者コース」の代わりに、「ロボットサッカープロジェクト」の一環として「サッカービギナーズコース」を新設。レスキューコースに8名、サッカーコースに11名、サッカービギナーズコースに14名(宿泊7名・通い7名)の計33名が参加し、世界大会出場者7名の鉄人たちが後輩の指導にあたりました。
サッカービギナーズコースでは、ダイセン社製TJ3を使用してサッカーロボットを製作し、コンパスセンサーを搭載して自陣と敵陣を見分けるようにしました。また、これから独自のロボット開発のヒントを得ることができたようです。ロボットサッカープロジェクトは、東京都立産業技術高等専門学校での練習会や同校の文化祭「高専祭」での競技会を通じてロボットをさらに進化させ、ロボカップジュニアのビギナーズリーグの出場を目指します。
今年の特徴は、かつてこの合宿に参加した学習者が鉄人として指導する側となったこともあり、原点に戻ったことにあります。
その一つは、鉄人が自らロボットを作って参加者と対戦をすること。レゴ マインドストームEV3で製作した鉄人のロボットには、現役の時代に使っていた、ドリブルする機能とシュートする機能を1つのモーターで実現する仕組みが搭載されていて、参加者には大いに参考になったようです。また、TJ3ロボットも外装の仕方などが参考になりました。レスキューLineでは、3人の鉄人がそれぞれの特徴を持ったロボットを製作。競技ではその一台が圧倒的な優勝を果たしました。鉄人のロボットを目の当たりにして、自らのロボット開発の目標が見えたのではないのでしょうか?
そして、「深夜の競技会」。宿泊する部屋にフィールドの一部を持ち込んで競技を行い、皆ベッドに座って他の人の競技を見ています。学習室とは異なり狭い空間なので、ロボットの息遣いが感じられるのでしょうか?皆が息を飲んでロボットの動きを食い入るように見つめていました。
レスキューLineでは最終日の競技でレベルを参加者に合わせるのではなく、世界大会を目指すのならばこれくらいのレベルが必要だ、というコースに参加者を挑ませたことです。高い目標を掲げ、それに向かって創意工夫と努力を積み上げていくことの大切さを鉄人たちが教えてくれました。
「ロボカップジュニア2017」は11月にノード大会、12月にブロック大会、3月にジャパンオープン(岐阜県中津川)、7月に世界大会(名古屋)が開催されます。この合宿で朝4時まで頑張った人もいます。ここでの経験を原点として、皆が大会で大いに活躍してくれることを期待しています。
トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳
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