rescuejo、総合5位・ロボットコミュニケーション賞受賞!
-駆け抜けた!怒涛の1カ月-
6月30日~7月3日、バッハの過ごした音楽の街であり、旧東ドイツ地域の「平和革命の地」と呼ばれるライプツィヒにてロボカップ2016世界大会が開催されました。市の中心部からやや離れた会場のライプツィヒ・メッセは、この地域では最大の見本市会場。広大な敷地に、大きなロボットやフィールドを使用するメジャーリーグ会場、企業のブース、カフェやレストラン、歴代のロボカップトロフィーやTシャツが展示されたコーナーがありロボカップ一色に染まった雰囲気でした。
会場ライプツィヒ・メッセ
ジュニアリーグに日本からは全15チームが出場。昨年から各チャレンジ1チームのみが世界大会に推薦されるのが基本でしたが、今回は他国チームの辞退によりサッカーライトウェイトプライマリ2チーム+オープン2チーム、OnStage(旧ダンスチャレンジ)プライマリ1チームが日本から追加推薦されることが5月末に知らされました。これにより、当アカデミーからOnStageプライマリに日吉校で結成した「rescuejo (西村H・吉備T・竹島I・鈴木T)」が出場決定!通常であれば3月末のジャパンオープンで出場が決まり、約3カ月の準備期間があるところを1カ月も無い状態でした。特にOnStageは、今世界大会から新ルールになったことで、その対策と、英文書類やプレゼンテーション準備など課題山積み。怒涛の3週間ちょっとを、メンバー保護者・当アカデミースタッフ総出で協力してメンバーを叱咤激励。息切れ状態でやっとたどりついたドイツでした。当然、ツアーも急な追加手配となり、3月末から出場が決まっていたチームの班よりも遅い出発、早い帰国、ホテルも会場から離れたところ…と追加チーム班は過酷な状況。とはいえ、市の中心部のホテルに宿泊できたので、街の雰囲気が感じられ、毎日ヨーロッパ名物トラムに乗って会場まで通えたことは、楽しい思い出となりました。伝統的な市の中央駅の正面にロボカップの横断幕が掲げられ、街のあちこちにポスターもあり、現地の新聞一面で紹介されるなど、歓迎ぶりは十分に感じられました。
「OnStage(オンステージ)」と名称が変わり、新ルールとなって大きく変わった点は、オープンテクニカルデモンストレーション(以下OTD)という審査が新たに加わったこと。パフォーマンス40%、インタビュー30%、OTD30%の割合で各分野審査され、総得点で順位が決まります。OTDはステージ上で、各チームが5分以内で、ロボットの特徴や技術、開発過程などを実際に動かして実演しながら紹介するのがルールです。パフォーマンスは2回行い、得点の高い方が採用されます。
パフォーマンス風景
OnStageには25か国からプライマリ19チーム、セカンダリ23チームが参加。スケジュール概要は出発3日前にメールが来ましたが、あとは全て現地についてから情報収集、という例年の世界大会スタイルなので、英語がキャッチしづらい日本人チームは協力し合って情報交換することが重要でした。
6/28深夜にホテル到着、翌朝8:30から受付開始でした。無事に受付を済ませるとTシャツやバッグなどの記念品を受け取り、その日は会場で調整ができます。OnStageは到着したチームからインタビューも開始されました。国内大会ではインタビューは比較的高得点だったrescuejoは英語での不安を感じつつも、書類はしっかり準備、自分のロボットのセンサー名の英語ぐらいには反応できるように備え、通訳付きで挑みました。審査員5名と、ドアが閉められた個室での約15分の面接試験のようなものです。rescuejoメンバーは、比較的落ち着いて対応できたと安堵な表情で出てきました。
本競技会初日はパフォーマンスの1回目です。国内大会のように、リハーサルが無いので、段取りや音響との打ち合わせが満足に行かずドタバタでパフォーマンスを終えるチームが多い中、rescuejoは90%の出来栄えで、審査員含め会場は一番の盛り上がりを見せました。パフォーマンス1回目だけの得点では堂々1位でした!
オープンテクニカルデモンストレーション風景
2日目はOTD。この新ルールの対策をしていないチームが、プライマリでは多い状態でした。rescuejoは、ルールは読み込んでいたものの、英語でOTDを披露する準備時間が無く、パワーポイントでは英文で説明し、ステージでは堂々と日本語で話すことにしました。パフォーマンス1回目でうまくいかなかったロボットの動きが、この場で実演できたことで、ここでも会場を沸かせることができました。インタビューが質疑応答形式であるのと違い、OTDは観客も聴くことができるプレゼンテーションで、いわば学会の発表のような雰囲気です。密室で行うインタビューは、審査員とメンバー以外見ることができない場なので、OTD形式は指導者や保護者にとっては好評だったようです。そしてこの日の夕方にジュニアパーティーが催されました。バスケやバレーボールなどスポーツが自由にできる場が用意され、言葉が通じなくても楽しく過ごせるように工夫されていました。rescuejoはパフォーマンスで使用しているピロピロ笛をお土産として、海外の友人たちに配っていました。
ジュニアパーティーの様子
3日目はパフォーマンスの2回目。1回目の経験を経て、仕上げてくるチームが多い中、rescuejoは準備不足のあらゆる懸念が表にでてしまった、残念な結果となってしまいました。1回目がうまくいった心のゆるみもあったかもしれません。悔しさとがっかりと、怒涛の1カ月を駆け抜けた「終わった」という脱力感。世界大会だからこその、あらゆる感情が凝縮されて湧き出てきました。この日の夕方に他国チームと協力して行う「スーパーチーム」チャレンジのルールとチームが発表。rescuejoはスロバキアとポルトガルのチームと組むことになりました。気持ちを切り替えてスーパーチーム競技のロボット作りに夢中になり、他国チームメンバーとみんなで20:00過ぎまで一緒に調整していました。
super team練習風景
旧ダンスチャレンジのスーパーチームチャレンジは、これまで特にルールが無く、他チームとテーマや音楽を決めてダンスを披露するという形式でしたが、OnStageとなった今年は競技形式のルールが発表されました。ステージ上の2本のラインの間を、ロボットがバトンタッチしながらリレーするというものです。制限時間は2分で、バトンタッチや往復できるごとにポイントがつきます。リレーする以外のロボットは応援ロボットとしてパフォーマンスするのが奨励され、それもポイントになります。
最終日はスーパーチーム競技本番と結果発表、表彰式。rescuejoはホテルに帰ってからもロボット調整に励んでいるメンバーもいましたが、なかなかリレーは上手くいかず。他チームも完璧なリレーはプライマリでは難しく、「みんなで応援する!」という人間のパフォーマンスが主になっていた感じでした。初めての試みだったので成功率は低かったですが、ルールがあってその目的に向かって活動する競技形式は、子供たちにとって有意義で円滑なコミュニケーションが生まれやすい環境ができる良い方法であると感じました。
rescuejoは総合5位、ベストロボットコミュニケーション賞という部門賞を受賞できました。他日本チームも皆、部門賞を受賞できました。今年は部門賞にトロフィーが無かったことがちょっと残念でしたが、急な出場決定から短期間でここまでの結果を得られたことは立派です。その日の夜は、ライプツィヒ大学近くの展望レストランで、美味しいドイツ料理を食べて最後の夜を楽しみました!観光の時間もほとんどありませんでしたが、生涯忘れられない貴重な体験ができた充実した滞在期間になりました。
サッカーやレスキューでも日本チームは良い結果を得ていました。今回、OnStageスタッフとして入っていたのでほとんど他チャレンジが見られず、詳細報告できず申し訳ないのですが、8/28(日)のNESTロボコンで、各チャレンジで出場した関係者からの世界大会告会が開催されます。来年の大会に向けて対策やヒントが見つけられる機会です。ぜひ、ご参加ください!!
(rescuejo引率者・池田)
トゥルース・アカデミー ブロック・サイエンス
トゥルース・アカデミー リトル・ダヴィンチ理数教室
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