リトル・ダヴィンチ理数教室のカリキュラム再編成について
-より年齢と理解度に合わせたカリキュラムに-
当アカデミーが根底においている「コンストラクショニズム」に基づく教育を教科の学習に導入することを目的に、2003年から試行錯誤してカリキュラム作成を始めました。そして、2005年にスタートした「ハンズオン算数くらぶ」は、2006年「リトル・ダヴィンチ」に、2011年に現在の「リトル・ダヴィンチ理数教室」へと発展して参りました。その間、カリフォルニア大学バークレー校ローレンスホール科学研究所が開発する直接体験型の理数教育プログラム「GEMS(Great Explorations in Math and Science:ジェムズ)」やアメリカの環境教育プログラム「Project Wild」、データロガーや電子ブロックなどの電子教材、Scratchによるプログラミングなどを積極的に取り入れてきました。
2006年「リトル・ダヴィンチ」開講に際して、次のように紹介いたしました。『「人類史上最も偉大な天才」とも「真理を追い求めた知の巨人」とも称され、芸術から科学まで、あらゆる分野に圧倒的に卓越した才能を発揮したダヴィンチ。子供は皆、科学者であり、芸術家として生まれてきます。誰もが皆、知的好奇心や探究心を十分に持った「小さなダヴィンチ」なのです。その資質を十分開花させたいと願い、「リトル・ダヴィンチ」と名づけました』。数学者や科学者が行っている研究行為を、子供たちも実際にやってみる機会を創るという、その理念は全く変わっておりません。
この5年間で「リトル・ダヴィンチ理数教室」の受講生が飛躍的に増え、保護者の皆様の関心の高さと期待の大きさをひしひしと感じております。しかし一方で、特に算数において、授業レベルとの不一致から一部問題も起きるようになってきたようです。最終段階では、指導要領の学年をはるかに超えている内容も多く含まれているので、一朝一夕にできるものではありません。それまでに、規則性あるものを美しく感じる心、規則性を発見し、数式で表現できる力を十分に養っておく必要があります。そのゴールを目指して、各ステップのカリキュラムを体系的に組んでおります。
当アカデミーの授業カリキュラムは、「心理学のモーツァルト」と称されたヴィゴツキーが唱える教育理論『発達の最近接領域』と深く関連しています。「子どもは集団活動における模倣(注:教師や仲間とならできること)によって、自主的にすることのできることよりもはるかに多くのことをすることができる。大人の指導や援助のもとで可能な問題解決の水準と、自主的活動において可能な問題解決の水準とのあいだのくいちがいが、子どもの発達の最近接領域を規定する」と述べています。すなわち、『発達の最近接領域』とは、「一人ではできないことでも、仲間との関係において、あることができる、という行為の水準ないしは領域」のことなのです。
これは、課題設定の方法として当アカデミーでも最も重視している考え方です。課題設定が子どもの発達水準よりも低すぎれば意味がありません。また、逆に高すぎれば、自らの活動から自分で知識を獲得し構築することができず、いわゆる「教えてもらわなければ、できない」という困った状態になってしまいます。要するに、自分一人では解決できないけれど、お友達と意見を交換したり刺激を与え合う中で、あるいは先生と一緒に考えたり、ちょっとしたヒントやアドバイスをもらったりしながら、自分の力で到達し得るレベルの課題設定をしなければならない、ということなのです。
その観点から、学年幅を広げ、もう少し緩やかな段階を踏んでコースの最終目標に到達できるよう、カリキュラムを再編成することに致しました。新鮮な発見が学問には不可欠なので、数量は学校より少し先取り、図形は大幅な先取り学習となることには変わりません。それに伴い、最終ステップでは、さらに高学年内容を追加する予定です。また、算数・数学学習の観点から、プログラミング学習をさらに低学年からスタートさせる予定です。さらに強力なカリキュラム体系となりますので、ご期待ください。
トゥルース・アカデミー ブロック・サイエンス
トゥルース・アカデミー リトル・ダヴィンチ理数教室
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