~ Think different ~
東日本大震災、原発問題、タイの洪水、円高、産業の空洞化、ガラパゴス化、ユーロの危機、人口減、少子高齢化などの影響で日本経済の行く末を案ずる声が絶えません。しかし、2月11日に公開される映画『はやぶさ 遥かなる帰還』の原作『小惑星探査機はやぶさの大冒険』の作者である山根一眞氏は、「日本が世界一になれる産業はある」と語り、真っ先に宇宙ビジネスを挙げています。HⅡAロケットの打ち上げ技術の高さ(成功率95%)とコスト削減の実現、無人輸送機「こうのとり」や宇宙実験棟「きぼう」のプロジェクト、そして「はやぶさ」で一躍脚光を浴びた「イオンエンジン」の成果…。山根氏は「日本の衛星システムが世界の基盤になる」と断言しています。
宇宙ビジネスだけでなく、ロボット技術や環境・エネルギー、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど、日本には世界のトップを走れる技術分野はまだまだあるように思います。また、「モノだけを売るな!ソルーション(解決策)を売れ!」という時代だとも言われています。省エネ・二酸化炭素削減・交通渋滞緩和・節水…多岐に渡る都市の課題の解決を目指す「スマートシティ」などは、その一例になるのではないでしょうか?分野の異なる多くの企業が協力し、世界トップレベルの技術力を統合して新たなものを生み出すことが可能となります。 このようなことに思いを巡らすと、前号「2012年 新年のご挨拶」でお話したように、今こそ「イノベーションの時代」であることを強く感じます。この「地獄の10年」とも「ビッグ・ゼロ」とも言われる時代にあって、最も大きなイノベーションを起こした人物はスティーブ・ジョブズであることは誰しも認めるところではないでしょうか?「1日に何回も何か問題を抱えたどこかの学生、どこかのアントレプレナー(起業家)、どこかの産業デザイナー、どこかのCEO(最高経営責任者)がこう自問しているはずだ―『スティーブ・ジョブズならどうするだろうか?』と」(フォーチュン誌)。 『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』の著者カーマイン・ガロ氏は、スティーブ・ジョブズが基本とする7つの法則を挙げています。(法則○「…」以下はスティーブ・ジョブズの言葉) 法則1「大好きなことをする」 自分の心や直観に従う勇気を持とう。本当はどういう人になりたいのか、意外なほどわかっているものなんだ。 法則2「宇宙に衝撃を与える」 我々はビジョンに賭ける。「後追い」製品などつくらず、次なる夢を追い続けるのだ。 法則3「頭に活を入れる」 創造力というのは、いろいろなものをつなぐ力だ。 法則4「製品を売るな。夢を売れ」
我々も、常識とは違うことを考え、アップルの製品をずっと買い続けてくれる人々のためにいい仕事をしたいと思う。自分はおかしいんじゃないかと思う瞬間が人にはある。その異常こそ天賦の才の表れなんだ。
法則5「1000のことにノーと言う」
何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい。 法則6「めちゃくちゃすごい体験をつくる」 パーソナルコンピューターが買えればいいという時代は終わりました。今はみんな、コンピューターで何ができるかを知りたいんです。だから僕らは、それを世の中に示したいと思います。 法則7「メッセージの達人になる」 ケーキがよく焼けているのに、アイシングはひどすぎる。 2009年全米ティーンエイジャーのアンケートで、最も尊敬する人物としてスティーブ・ジョブズが挙げられています(得票率35%)。その理由として、「違いを生み出した人だから」「みんなの暮らしをよくした人だから」「世界をよりよくしてくれた人だから」を挙げているそうです。もちろん十代の純粋さはいつの世も変わらないとは思いますが、前号に紹介した「C世代」は、スティーブ・ジョブズの遺伝子を受け継いでいるように思えてなりません。 当アカデミーは、「子どもたちは皆、生まれながらにして科学者であり、芸術家。知的好奇心と探究心を刺激し、子どもが学ぶことの楽しさ、大切さを実感することができれば、いつまでもその資質を伸ばし続け、開花することができる」と考えています。自分の利己的な利益よりも他者の、そして社会の幸せを願う、純粋な心と共に育ってくれればと願っています。 「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから」 ― 1997年Apple 社CM『Think different.』― 【参考文献】 ■『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』(カーマイン・ガロ著・井口耕二訳/日経BP社) ■Apple不朽の名作CM「Think different.」クレイジーな人たちへ〜アップル宣言 http://blog.prtimes.co.jp/yamaguchi/2011/10/apple_think_different/ |
To be continue・・・ |
教育用レゴブロックや算数ブロック、ロボットなどの教材で学ぶ科学教室トゥルース・アカデミー代表の中島晃芳です。 このブログは、当アカデミーが月に1回発行しているお知らせ「Truth通信」に、2004年より掲載している「トゥルースの視線」をまとめたものです。 科学教育や算数教育、ICT教育、ロボット教育、ロボカップジュニアなどについて私の雑感を書き記しています。ぜひご一読いただければ幸いです。