2008年6月1日日曜日

【第36回】ロボカップジュニア①


― そもそもロボカップ(RoboCup)とは?―

Truth通信ではよく登場する「ロボカップジュ二ア」ですが、あまり詳しく説明する機会も少なく、一体これって何なの?という方もいらっしゃるかと存じますので、当アカデミーとロボカップジュニアとの関わりを含め、改めてご紹介させていただきます。

そもそも「ロボカップ(RoboCup)」とは、「2050年までにロボットのサッカーチームが人間のワールドカップ優勝チームに勝つこと」を目標にしている国際的なランドマーク・プロジェクトです。ランドマーク・プロジェクトというのは、月に人間が降り立つとか、チェスの名人をコンピューターが打ち破るとか、誰にでも分かりやすい夢のある記念碑的な目標を立て、その夢の実現を目指すプロジェクトのことを言います。ロボカップは、ロボット工学と人工知能の融合・発展のために自律移動ロボット(リモコンではなく自分で判断して動くロボット)によるサッカーを題材として、日本の研究者によって提案され、1992年に発足しました。ロボカップ国際委員会を中心として運営されており、現在35カ国ほどが参加しています。日本では、NPO法人であるロボカップ日本委員会が運営に携わっています。

ロボカップには、「ロボカップサッカー」「ロボカップレスキュー」「ロボカップジュ二ア」の3つの大きなカテゴリーがあります。ロボカップサッカーは、「小型ロボット」「中型ロボット」「四足ロボット」「ヒューマノイドロボット」「シュミレーション」の5つのリーグで構成されています。今年の沼津ジャパンオープンでは、「マイクロサブリーグ」も登場しましたが、小型ロボットリーグは開発が行き着くところまで進んでしまったようで、いずれなくなるかもしれないとの話もあります。また、大学生を中心にソニーの犬型ロボット「AIBO」を使った四足ロボットリーグも、AIBOの生産が中止されたため、いつまで続けられるのか分かりません。

ロボカップサッカーの花形はなんと言っても、人間型の二足歩行ロボットを使ったヒューマノイドロボットリーグでしょう。産学連携共同開発グループ「TeamOSAKA(チーム大阪)」が「VisiON(ヴィジオン)」というロボットで、昨年までの4年間連続して世界大会優勝を果たしています(今年もジャパンオープンで優勝)。テレビや雑誌にも時々出ていらっしゃるロボットクリエーターの高橋智隆さんの所属しているチームです。この4年間で、ボールを探す、ボールのところまで歩いていく、ボールからの距離を測り立ち位置を決める、ボールを自分が決めたところまでキックする、といった動作が格段に速くなり、姿勢も安定してきていると思います。

次回から、実際に大会に出場したエピソードを含め、詳しくご説明したいと思います。


To be continue・・・