2020年5月8日金曜日

【第149回】Truth20年の歴史史上、初めてのOnline授業

 ~ 「学びを止めない!」の一心で ~

 世界中が新型コロナウィルス感染症COVID-19に襲われ、日本でも感染拡大が起こり、学校の休校、緊急事態宣言、東京都の学習塾への休業要請と、子どもたちの学びの場が奪われていきました。Truthも何とか3学期通常授業を乗り切ることができましたが、春休みサイエンス講座は一部開講したものの、ほとんどが中止となり、新年度授業をスタートすることもできませんでした。

「どうしたら、生徒たちに授業を届けることができるだろうか?遠隔授業しか方法はない。しかし、ものづくりをベースとする授業が成立するだろうか?・・・」などと逡巡しておりました。私共が運営するNPO法人科学技術教育ネットワークでは、『STEMing(ステミング)』という学校の先生向けのロボット・プログラミング指導方法を教授するe-ラーニングサイトを制作し運営しているので、コンテンツ制作や配信のノウハウは持っています。しかし、「YouTubeのような一方的な授業では、Truthが実践してきた社会構成主義に基づく対話型の授業が実現できない・・・」と思いを巡らしているときに、Web会議ツール「Zoom(ズーム)」の存在を知りました。ある講師に相談すると「研究室や学会でも使っているので、使えるかもしれない」と。その言葉に背中を押され、一部講師とどのように使えるかをZoom会議し、これをベースに全講師も参加して使い方や授業内容を検討しました。

 

Zoom授業配信中の講師
Zoom授業配信中の講師

 

生徒たちはそれぞれのご家庭にいるので、協働学習の一環としての共同作業はできません。ブロック・サイエンス(BS)にも共同作業の授業もあり、特にリトル・ダヴィンチ(LV)は複数人数で行う算数ゲームもあります。そのため、カリキュラムを組み直したり、新たなカリキュラムを作ったりする必要が出てきました。しかし、講師たちが皆熱心に取り組んでくれたお陰で、毎週授業ができる態勢ができてきました。そして、Zoomの授業設定、授業案内メールのフォーム作成とメール配信作業の定形化等々、事務的な作業の構築を行い、4/16(木)からOnline授業をテスト的に開始。パソコンの画面を通してですが、皆の元気な姿を見られて、ホッとすると共に嬉しく思いました。3週に渡る無料Online授業を実施し、生徒や保護者の皆様からのアンケート回答もご提出いただきながら体制を整え、5月GW明けから本格的に授業を開始することができました。一方、若干名、Online授業に参加できない方がいらっしゃったのは、残念で申し訳ない思いで一杯になりました。

実際に授業を始めてみると、在宅勤務が増えたせいか、インターネット回線が不安定になることもあり、Zoomの操作に十分慣れていないせいか、授業をしながら一人一人の生徒の様子を確認し、パソコン操作も同時に行う必要があるので、各講師とも悪戦苦闘したようです。また、モデルを作ったり動かしたりする様子が十分に見られないケースもあったため、指導やアドバイスに困ることもありました。特にロボット・サイエンス(RS)では、ある程度のスペースを必要とするフィールドで動かしたいので、生徒たちも動作の様子を見せるのに苦労したようです。しかし、プログラミングについては、ある生徒のプログラムを画面共有し、皆で検討したり意見を出したり、場合によっては皆で操作しながら1つのプログラムを作っていくことができるので、長所もあったようです。また、RSではクラスごとに掲示板を設けて、プログラムを発表したり、ロボットの動く動画を見せたり、講師と質疑応答を行ったりすることによって、学習や開発の状況を共有することができました。

 

zoom画面 
zoom画面

 

やっと東京都のロードマップでステップ2になり、教室授業を再開することができました。Online授業の期間中、授業案内メールが受信できない等のトラブルもあり、メールチェックや授業準備のご負担を保護者の皆様にはお掛けいたしましたが、多大なご理解とご協力、応援のお言葉をいただき、心より感謝申し上げます。今回得た経験を活かして、何らかの形で新しい授業のご提供ができればと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。


トゥルースアカデミー代表 中島晃芳

http://truth-academy.co.jp/

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