NESTモンゴル高専支援プロジェクト(2)
-モンゴルにともった未来の灯火-
モンゴル高専では、第1期生3クラス99名にロボットの授業を行いました。
情報化の授業と教師指導のために先にモンゴル入りしていた黒木先生(都立産技高専准教授)が、毎晩一所懸命奮闘してくださったのですが、なかなかロボットを動かすデジタルの環境が確保できませんでした。直前にガンバト学長の決断で新しいパソコンを購入。到着した授業前日9/8の夜、何とか動く環境を創ることができました。しかし、初日の午前中は、前日テストしたにもかかわらず、PCが固まったり、ロボットのファームウェアが飛んだりと思わぬアクシデントが続出。富永先生(都立産技高専教授)と黒木先生が懸命に対処して下さったお陰で、午後の授業からは安定した授業を進めることができました。
3クラスを2分割し、1グループ16〜17名に対して、それぞれ3時間半の授業を行いました。8:30~16:30(昼休み1時間)、3日連続の授業です。まず、富永先生より挨拶とロボットについてのブレインストーム、ロボカップジュニアの紹介を行いました。次に、当アカデミー統括マネージャーの池田がロボットカーの走行プログラムを、続いて中島よりタッチセンサーと光センサーの使い方の授業。各単元の終わりに競技を行い、その定着を図りました。
授業には必ず女性の通訳がついてくれました。通訳の方々はとても優秀で、一度授業の通訳をすると、その内容をきちんと覚えていて、私共の説明を補ってくれるなどしてくれ、本当に助かりました。授業が円滑に進んだのも通訳の方々のお蔭です。
新入学生たちは初めて受けるロボットの授業に目を輝かせ、競技になると熱中して取り組んでいました。モンゴルでも富裕層の子供たちですが、素朴な素直さを感じます。授業の開始の時は全員が起立して当番の生徒が「礼、おはようございます」と号令をかけます。また、廊下ですれ違う時も「こんにちは」「さようなら」と声をかけてくれます。
テレビや新聞、雑誌の取材を受け、ロボットの寄贈式も行っていただき、驚くほどの歓迎を受けました。ガンバト学長やビルゲイン校長が初日には昼食会を、最終日には夕食会を開いて下さいました。夕食会は、外務省所有のハントルチ宮殿で行われました。この宮殿は、モンゴル独立に人生のすべてを投入し、初代外務大臣となったハントルチの元住居で、ウランバートル最大のゲル(主にモンゴル高原に住む遊牧民が使用している伝統的な移動式住居)です。2つの大きなゲルをつないでおり、ハントルチの所蔵物などが展示されています。ここで、感謝状と記念品を贈呈して下さいました。
10/18にウランバートルで行われたロボットコンテストにモンゴル高専の教え子たちが参加し、4つの競技の内1つの競技で優勝したとの連絡がありました。また、10/23に東京の青山で「モンゴル高専支援の会」の懇親会が行われ、モンゴル工業技術大学(IET)の理事長や理事、学長、9/25に第1期生の入学式を行った2校の高専の校長(なんと30歳-おそらく日本の高専卒業生)を迎えました。日本の高専関係者だけではなく、産業界の方々も多数列席し、モンゴルのこれからの発展に熱いエールを送っていました。
モンゴルの高専生たちは将来卒業して社会に出て、産業を興し発展させ、新しいモンゴル国を作っていくことでしょう。NPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)とTruth Academyは、そんな目を輝かせ、熱い情熱を秘めたモンゴルの子たちの教育を支援していきたいと思います。
http://truth-academy.co.jp/
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