-新しい科学教育の提言-
今夏、4年目を迎える「こどもロボット研究室」の他、昨年の当アカデミーの活動を拡大したロボコン「サマーチャ レンジ2005」、初めての試みとなる「ROBOLABサマーキャンプ2005」という夏休みの企画を、『RISE(ライズ)科学教育研究会』で主催します。今回はこれまでの流れから少し離れ、『RISE科学教育研究会』について説明いたします。 『RISE科学教育研究会』は2003年1月、第1回ワークショップで、その活動を開始しました。RISEは元々ROBOLAB Institute of Science Education の略。ROBOLABという教材を使用して科学教育の実践を実験的に進めていく日本初の団体としてスタートしました。2002年11月、レゴ教室の中から教育的実績や理念、志の高い関東圏内の3つの教室の代表に私から声をかけ、日本の中でROBOLABという新しい教材を武器にロボット教育の可能性を深く追求し、教育への新しい提言を行う団体を作ろうと提案したところから始まりました。 ROBOLABは単にロボット教育の教材であることに留まらず、各種センサーが取得した様々なデータの分析や解析、そしてグラフ作成を始めとした様々な処理、研究レポート作成、デジタルビデオカメラで取り込んだ画像処理が可能となり、また、インターネットに対応しているため遠隔操作もできる極めて優れたプログラムソフトです。このことにより、教育現場で使用できる幅が格段に広がり、欧米ではこれらのデータロギングを始めとする新機能を利用した授業事例が公に発表されつつありますが、残念ながら日本では現在も全く手のつけられていないのが現状なのです。そのような状況に一石を投じようとしたのが、RISEなのです。しかし2004年第2回ワークショップを開催して以来、RISEオリジナルの活動はしばらく休止していました。というのも、ロボカップジュニア関東ブロック大会運営委員長に私が任命され、RISEの活動はそのほとんどが同大会の運営にエネルギーを注ぐことになったからです。2005年ロボカップジュニア関東ブロック大会・日本大会では全体統括が中島、サッカー・ダンス・レスキューの統括が全てRISE代表メンバーが担当。国内運営基準の作成と実現に貢献し、神奈川・千葉の予選会を立ち上げ、「公平・公正の原則」「教育的観点の確保」をテーマに活動に打ち込みました。その過程で出会った、最大のパートナーである都立高専、そして神奈川県や東京電力、当アカデミーが5年越しで支援してきた杉並区など、理念と活動を共に出来るかけがえのない同士が得られたことは非常に大きな財産を得たと確信しています。 ただ、この間RISEはWEB上での活動は行っていたものの、リアルな場面での活動がなかなか実現できなかったことに対するフラストレーションが募ってもいました。そこで本来の理念に立ち返り、この夏、従来のRISE活動に当アカデミーの活動の拡大、そして新しい企画を加え、オリジナルの活動の礎をしっかり作っていこうと決意を新たにした次第です。 今後は、ROBOLABやロボット、そしてレゴを中心として、しかも、それらの素材に固執せず、幅広く新しい科学教育の実践を行い、日本の教育界に新たな提言を行う団体として活動していきたいと思っております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。 (RISE科学教育研究会:http://www.rise-j.net/) |
To be continue・・・ |
教育用レゴブロックや算数ブロック、ロボットなどの教材で学ぶ科学教室トゥルース・アカデミー代表の中島晃芳です。 このブログは、当アカデミーが月に1回発行しているお知らせ「Truth通信」に、2004年より掲載している「トゥルースの視線」をまとめたものです。 科学教育や算数教育、ICT教育、ロボット教育、ロボカップジュニアなどについて私の雑感を書き記しています。ぜひご一読いただければ幸いです。