2006年1月1日日曜日

●2006年 新年のごあいさつ~満5歳・新たな飛躍に向けて


新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。

昨年末のクリスマス会は、生徒・ご家族470名、スタッフ40名以上の盛大な会となりました。なお、今回は都立高専の先生方や学生の皆様にもお力を貸して 頂き、「創造性と問題解決力を育てる新しい教育」を通じて心ある人々の輪が広がっていくのを大変嬉しく感じました。ご父母の皆様を始め協力してくださった 方々に、この場をお借りして御礼申し上げます。

さて、当アカデミーが「LEGOとロボットで学ぶ科学教室」(旧:レゴダクタ教育システム導入教室)を開校したのが2000年10月、満5歳となりました。日本でも先駆けのLEGO教室として、開校当初は社会の理解はほとんど得られなかったことを考えると、認知度も少しずつ高まってきた現在の状況には隔世の感があります。これもひとえに、ご父母の皆様のご理解とご協力の賜物と感謝申し上げます。

この5年間、全コースのオリジナル授業案の完備、RISE科学教育研究会の立ち上げ、「サマーチャレンジ」や「X'masチャレンジ」などのオリジナル・ ロボットコンテストの企画運営、日本発の「ROBOLABサマーキャンプ」の開催、ロボカップジュニアの活動・運営協力など活発に活動してまいりました が、6年目に入った現在、さらなる飛躍に向けて新たなチャレンジを行っていきたいと考えています。

まず、従来の「ジュニアロボティクス」を「ジュニアエンジニアリング・ベーシック」(2年カリキュラム) と改称し、LEGO新教材「メカニカル・エンジニアリング=写真=」を使用して「ジュニアエンジニアリング・アドバンス」(1年カリキュラム)を設置しま す。ベーシックでは実際の様々な機械をテーマに力学的な基礎原理とその応用を理論的・体系的に学びます。アドバンスでは生産システムをテーマに、より高度 な物理学・機械工学について、専門家が実際に行っている研究・問題解決・立案の科学的手法を通して学びます。

また、これは来年度以降になるかもしれませんが、「ジュニアエンジニアリング・マスター」(1年カリキュラム)を新設予定。エネルギーを学ぶLEGO教材 「e-Lab(イーラボ)」とロボット教材「ROBOLAB( ロボラボ)」のインベスティゲータ機能(データの収集・分析・解析)を組み合わせた新たな試みを行う予定です。これらの教材については、世界の教育現場で このところ急速に授業事例の報告が増えていますので、ぜひ日本でもいち早く実現していきたいと考えております。

次に、理科実験教室が注目される昨今、従来のたった一つの正解に至るための予定調和的な実験ではなく、当アカデミーの教育理念である「コンストラクショニ ズム」「ハンズオンラーニング」「オープンエンドアプローチ」を実現しうる理科実験の講座を新設する予定です。科学館などで行っている単発のイベント的な 講習会ではなく、理論的・体系的に科学的なものの考え方やアプローチの仕方を学べる講座にしたいと鋭意研究中ですので、ご期待下さい。また、幼稚園生対象 の自然教室も将来的に実現したいと思っております。

さらに、小学校低学年向け、また、上級者向けのロボット製作短期講座やロボットサイエンスコース受講者対象のメカニズム通信講座などを計画中です。これら 新コース・新講座に関しましては、授業実施可能な状態になりましたら順次お知らせいたします。

TIMSS2003調査(国際数学・理科教育動向調査)という国際的な学力検査では、アジア各国のレベルアップが目立ちました。中学2年生の理科では、1 位シンガポール、2位台湾、3位韓国、4位香港。日本は6位です。また、小学4年生理科でも1位シンガポール、2位台湾、3位日本。日本は前回1995年 調査から中2は4位から、小4は2位からの転落です。学力のみならず、学習意欲・動機付けの面で国際平均値よりかなり低いのが気になるところです。シンガ ポーールでは、これまで推進してきたIT教育5ヵ年計画に加え、「Teach less, Learn more」という標語が政府から発表されました。これまでの詰め込み教育から脱皮し、①自主学習意欲を奮起させるきっかけ作り②科学への興味を引き上げる 工夫③楽しんで学習できる場の創出④自らの能力を引き出す手助けとなる教材・教授法・アクティビティの開発などを柱とした教育指針を示したのです。まさに これは当アカデミーの教育方針と合致していると言えるのではないでしょうか。

日本の子供たちにも世界レベルの教育を享受してもらいたい、そして、日本のみならず世界の将来を担う人物に育ってほしいという、当アカデミーの願いを一歩 一歩着実に実現してまいりたいと存じますので、今後ともご指導、ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
▲先月24日の
クリスマスパーティー
▲メカニカル・エンジニアリングを使った授業風景
▲e-Labのセットで
作った風車

 
To be continue・・・