~ レゴと空間認識能力 ~
古代ギリシャの自然哲学者デモクリトスの原子論を紹介した一節です。「デモクリトスは、『すべては目に見えないほど小さなブロックが組み合わさってできていて、そのブロックの一つひとつは永遠に変わらない』と考え、その小さなブロックを『原子(アトム)』と名づけました。『自然界には無限に多様な原子がある』、『原子はすべて永遠で、変化せず、分けられない』と彼は考えます。レゴについての問いがあったのは、デモクリトスが考えた原子について理解するのにレゴがぴったりだったからです」と。
2018年と少し古いデータになりますが、レゴジャパンが東京六大学出身者を対象とした「レゴと知育の関連性に関する調査」を実施しました。レゴで遊んだことがある人の割合は、東大67.8%・早稲田60.9%・慶応66.7%・立教69.1%・明治67%・法政67.9%。遊んだことがあると回答した東大生に対し、「レゴが良い影響があったと思う能力」を調査したところ、「集中力」57.6%・「空間構成力・イメージ力」51.5%・「アイデアを膨らませる創造力」51.5%・「目的達成力」48.3%、「柔軟な思考」「論理的思考力」「豊かな表現力」「ひらめきを得る想像力」がおよそ2~3割。ちなみに、「東大に入るための必要な要素は?」という問いには、1位が「集中力」74.7%・2位「論理的思考力」50.6%だったとのこと。
東大レゴ部の創設者で現役大学院生の時に、日本人初で世界13人目のレゴ認定プロビルダーとなった三井淳平氏は、その著書『空間的思考法―世界が認めた、現役東京大学大学院生の頭の中!』の中で、「算数の平面図形と立体図形は一番得意だったが、図形問題を見るとレゴブロックで試行錯誤したことが多く、図形問題を見ても慌てることはなかった。算数は一つ一つ論理的につめていくパズルのように解いていく点でブロックと似ており、一つ一つのステップを踏んでコツコツ問題を解くということを楽しめた」「立体的な形、いわゆる3Dで考える癖がつき、見たものを頭の中でひっくり返してみたり、自由に動かしてみたりしながら全体像を予測する習慣がついた」と述べています。

算数・数学思考力検定で図形問題、特に立体図形が弱い子が見受けられます。小学校では立体図形を学ぶのは高学年になってからです。かつて受験指導をしていた頃、小学高学年になってから空間認識力をペーパーの問題で鍛えようとすることには限界があることを痛感していました。その後、「リトル・ダヴィンチ理数教室」で数量・平面図形・立体図形を各ステップで学ぶこと、数量と図形を融合することを一つのテーマにしてカリキュラムを構築してきましたが、毎回立体図形を扱うことはできません。ブロック・サイエンスでは、レゴブロックの組み立てなので、毎回空間認識力を磨くことができます。
先のレゴジャパンの調査では、レゴ経験者のうちでも、特に「説明書等がなく、ゼロから作るシリーズ」で遊んでいた人の割合は、東大93.9%・慶応92.3%・法政92.1%に達しています。ブロック・サイエンスは年長クラスから組立図を使用します。組立図を見てそっくり作る(平面で描かれた図から立体を構成する)ことで新しい知識を学ぶ、遊んで実験する(正しい実験と観察の習慣をつける)ことでその良さや特長を知る、問題解決学習というテーマに沿ったオリジナル作品を作る(立体を構成する)ことで学んだことをアウトプットする(想像力や創造力を発揮する)というカリキュラム構成になっています。
LEGOはデンマーク語のレゴLeg Godt(よく遊べ)。手の巧緻性や空間認識力、集中力、論理的思考力、想像力、創造力、問題解決力、比例・反比例や関数などの数学的な知識、力学や物理法則、そしてプログラミングによる制御やデータロギング…楽しく遊びながら身につけていきましょう!