新年明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。
クリスマス会では、生徒やご家族、スタッフを含め総勢350名が参加いたしました。大きなイベント運営に不慣れなこともあり至らぬところも多々あったかと存じますが、楽しんでいただけたならば幸いです。 昨年末、経済協力開発機構の国際的な学習到達度調査、国際教育到達度評価学会の「国際数学・理科教育動向調査」の結果が相次いで発表されました。前者で は、日本は読解力14位、数学的リテラシー6位。後者では、数学的能力6位、読解力11位、科学的能力2位、問題解決力4位と、文科省も「日本の学力は世 界の最上位とはいえない」と深刻な学力低下を指摘。一方で、全国学力テストの実施や土曜授業の容認といった動きも出てきており、公教育の現場では詰め込み 教育への揺り返しも見られます。 文科省がモデルとするイギリスでは「リーグテーブル」と呼ばれる徹底したテスト主義が行われていますが、「カリキュラム内容を狭めている。生徒にストレス を与えている」と考える教師が8割以上、「学力を向上させる。学習の問題点を見つけるのに役立つ」は1割未満。上記調査でも上位に食い込めない状況です。 一方、テストでのランク付けや競争原理を導入していないフィンランドは、18歳学力世界一、上記の調査でも上位を独占。徹底して自分の頭で考えさせる教 育、結果よりむしろ結果に至る過程を大切にする教育を実践している同国の授業風景が以前TVで紹介されていました。 調査の結果を受け、「物事に興味や問題意識を持ち、原理原則を学び、視点を変えたり、論理的に考える作業が楽しい、面白いと多くの児童生徒が実感できてい ないのだろう。子供の興味、関心、考える力をどう養うかという取り組みを省略すると、学ぶ量が増えても知識を注入する『詰め込み教育』になるだけで、何の 本質的な解決にもならない気がする」とは芳沢光雄東京理科大教授(数学・数学教育)のお話。
当 アカデミーでは、レゴやロボットを用いた科学技術教育、ハンズオン算数といった限られた分野ではありますが、魅力的な教材を使って子供たちの知的好奇心や 探究心を刺激し、公式を覚えて運用する学習ではなく、公式や原理を創造的な活動を通して自らの力で発見する学びの場を提供したいと考えています。昨年もロ ボット・サイエンスコースの「サマーチャレンジ」やハンズオン算数くらぶの「アルゴ大会」など新しい学びの機会を企画しましたが、今年もさらに新たなチャ レンジを行い、もっともっと魅力あふれる教室にしていきたいと存じます。
本年もよろしくお願いいたします。 |
To be continue・・・ |
教育用レゴブロックや算数ブロック、ロボットなどの教材で学ぶ科学教室トゥルース・アカデミー代表の中島晃芳です。 このブログは、当アカデミーが月に1回発行しているお知らせ「Truth通信」に、2004年より掲載している「トゥルースの視線」をまとめたものです。 科学教育や算数教育、ICT教育、ロボット教育、ロボカップジュニアなどについて私の雑感を書き記しています。ぜひご一読いただければ幸いです。