2025年3月26日水曜日

【最終回】Truthは36年の歴史に幕を閉じます

~長い間ありがとうございました~

 トゥルース・アカデミーが教室として36年、教育用レゴブロックやロボット教材を活用したSTEAM教育の教室として25年が経ち、今月末でその歴史に幕を下ろします。STEAM教育を始めたころは、なかなか教育としての意義を認めていただけませんでした。しかし、科学館や学校での普及活動、ロボットコンテストの運営、生徒たちのロボコンでの活躍などを通して、今では、ロボット教育やSTEAM教育のパイオニアとかレジェンドとか言われるようになりました。最後に歴史を振り返ってみたいと思います。


1988年 板橋区にて「トゥルース進学アカデミー」という名称で、進学塾としてスタート
子供たちには、高い目標を掲げ、自分の可能性が無限であることを知り、その目標に向かって自らが責任を持ち誠実な努力を行うことを体得してもらいたく、「高き目標を掲げよ! 学習とは自らとの闘いであり、学力とは自らが生きてきた軌跡である」をモットーとしていました。
2000年 レゴとロボットの科学教室を城北教室(板橋区)でスタート
プログラミング教育を模索している中、ロボット教材「レゴ・マインドストーム」と出合い、今で言う「STEAM教育」をスタートさせました。プログラミング教育・ロボット教育の始祖・シーモア・パパート(MIT)が説く「コンストラクショニズム(構成主義)」という教育理論を日本の教育に広げることを使命としました。「子どもたちは生まれながらにして科学者であり、芸術家。輝ける個性と才能を思いっきり伸ばし、世界の舞台に羽ばたいてほしい ― それがトゥルース・アカデミーのモットーです」を掲げました。知的好奇心と探求心を刺激し、気づきや発見の感動を通して創造力と問題解決を育成する、独自のカリキュラムを築いてきました。その後、2001年に日吉校(2018年に閉校)、2004年に飯田橋校を開校しました。城北教室は2005年練馬に移転。
2001年 ロボカップジュニアと出合う
関東での初めてのロボットサッカー競技会が日本科学未来館7階の小さな会議室で行われて、城北教室の生徒1人が参加。池田・中島が初めて審判を務めました。その後、FC日吉の4人組の活躍から始まり、多くのトゥルースの生徒たちが大会で活躍するようになりました。私も2004年関東ブロック大会、2005年日本大会(どちらも日本科学未来館で開催)の総指揮を執り、2004年に関東ブロック運営委員会を立ち上げ初代ブロック長を務めました。また、予選となる神奈川ノード(現在の神奈川・西東京ノード)を立ち上げ、運営。そして、2014年からロボカップジュニア・ジャパンの理事を務めております。一方、普及活動として杉並区立科学館、日本科学未来館で毎年の講座を担当したり、小中高校への出張授業(場合によっては1年間担当)を行ったりしてきました。その後、FLLやRoboRAVE、宇宙エレベーターロボット競技会と、子供たちの活躍の場が広がっていきまた。
ロボカップジュニア関東ブロック
中央林間小へロボット出張授業
2002年 夏期特別授業(夏休みサイエンス講座)がスタート
通常授業は週1回50分授業ですが、もっと時間を取ってじっくりと「プロジェクト学習」を行いたいと考え、
70分~90分×2回の授業を夏休みに行う「夏期特別授業」をスタートしました。冬休みはこの年から各教室で「クリスマスパーティ」を行い、レゴのゲームや作品コンテスト、生徒が製作したレゴを使った映画の上映を行いました。2003年からはロボットコンテストなどを加えて会場を品川区の「きゅりあん」に移し、7階全フロアを借り切り、毎年生徒やご家族、友人などで数百名が楽しみました。しかし、ロボカップジュニアの大会が前倒しになり時期が重なったため、2009年最後となりました。その後「冬休み特別授業」に切り替えました。なお、1か月かけたクラスのメンバーがチームとなってプロジェクトの取り組む「卒業制作」は2006年から始まっています。
夏期特別授業「学ぼう!耐震構造」
レゴムービーで映画製作
オリジナル競技で開催、NESTロボコン
クリスマスパーティーで開催したロボコン「「X'masチャレンジ」表彰式(2008年)
2003年 NESTの前身RISEを立ち上げる
2001年から「こどもロボット研究室」というロボット講座を都内各地で開催してきましたが、現在のエレファントアリー(八王子)とエルプレイス(戸田・浦和)、フォルツァ(野田)を運営する仲間と任意団体「RISE科学教育研究会」を設立しました。そして、都立産技高専の名誉教授や教授が参加して下さり、2012年「NPO法人科学技術教育ネットワーク」(NEST)へ。現在でも続く「NESTロボコン」「ロボットの鉄人」(2泊3日の合宿)の他、「サイエンスキャンプ」(2泊3日)や「オーシャンプロジェクト」(1泊2日)という、山や海でのデータロギング活動やロボットでのシミュレーション活動、指導者養成講座を行いました。これらの活動は、ICTを活用した教育実践事例の全国コンテスト「ICT夢コンテスト」で2011~13年、3年連続で「CEC奨励賞」を受賞。また、モンゴル高専(ウランバートル)にも2回訪問し、1年生全クラスに授業を行いました。
サイエンスキャンプでデータ分析
サイエンスキャンプでデータ採取しながら自然観察
サイエンスキャンプでエネルギー実験
オーシャンプロジェクトで海洋観察
シュノーケリングで海中観察、オーシャンプロジェクト
ICT夢コンテストでNESTの活動をプレゼンする中島
ICT夢コンテスト受賞
2004年 初の世界大会出場
城北教室のサッカーチーム「クイック&スロー」がトゥルース初の世界大会出場を果たしました。リスボンで行われ、4位の成績を残しました。その後、06ブレーメン、07アトランタ、10シンガポール、11イスタンブール、12メキシコシティ、13オランダ、14ブラジル、15中国合肥、16ライプツィヒ、19シドニーに出場。最大数チームが参加することもあり、世界チャンピオンも多数輩出しました。また、アジアパシフィック大会にも17バンコク、19モスクワ、21愛知に参加しています。
2010シンガポール世界大会で優勝「3t-robot」
世界チャンピオンAmalgam(2013年)
振り返ってみると、2000年からの数年間で現在のTruthの基礎がほとんどできていたことに我ながら驚きます。その数年でまいた種が大きく成長し、現在のTruthにつながっていることを実感します。子供たちの輝く笑顔に毎日囲まれ、そして、保護者の皆様が私共の教育理念をご理解下さり、ご支援、ご協力くださったからこそ、Truth独自の教育を25年間も続けてこられたのだと思います。

通われている皆様には、最後まで責任をもって学習を続ける機会をご提供することができませんこと、心よりお詫び申し上げます。Truthの教室はなくなりますが、今後もNESTやロボカップジュニア、RoboRAVE、宇宙エレベーターロボット競技会の役員は続けていきますので、これからも皆様と顔を合わせることがあるかと思います。またお会いできることを楽しみにしております。

改めて、皆様のご支援とご協力に心より感謝申し上げます。お子様たちが成長し、大きく羽ばたいてくれるよう、陰ながら応援してまいります。本当にありがとうございました。

<ブログでTruthの歴史が見られます>
■Truth通信(2010年以降):https://truth-tsusin.blogspot.com/
■トゥルースの視線(初回から):https://truth-shisen.blogspot.com/

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

2025年1月26日日曜日

【第197回】新年のご挨拶

 ~トゥルース・アカデミー36年の歴史を閉じます~

明けましておめでとうございます。

 年末に在籍生と保護者の皆様にはお知らせいたしましたが、トゥルース・アカデミーは今年の3月をもって閉校いたします。教室として36年間、レゴとロボットの教室として24年間、皆様に支えられ、歩んでまいりましたが、ここで歴史を閉じることといたしました。

 お知らせしてから、多くの保護者の皆様からメールをいただきました。 ●もうショックで、ショックで言葉になりません。大変なご決断であったとは十分承知しておりますが、残念としか言いようがありません ●閉鎖の件、拝読し大変驚き残念に思っています ●正直とても悲しい気持ちでいっぱいです。昨晩閉鎖の話を〇〇にしましたが、泣いて『いやだよ。トゥルースじゃなきゃもうやらない』と言っていました ●親子共々心からトゥルースの授業を楽しんでいたので本当にショックです ●家族でショックが大きく、親子で泣きました」…。1/5ロボカップジュニアの活動に来た中3男子が「俺、マジ泣いた。だって本当にちっちゃい頃から通ってるんだよ。

多くの方々を落胆させてしまったこと、本当の申し訳なく思っております。温かいお言葉もたくさんいただきました。

●長い間、日本の草分けとしてのご活躍、感謝しかございません。トゥルース・アカデミーがなければ、今の息子もだいぶ違った形で成長していたかもしれません ●問題提起、目標を立てレゴを作って最後に発表というスタイルで学べるのは非常に有り難かったです。学習塾よりも大切な個性や感覚を育ててくれるカリキュラムで、この教室の貴重な資産だと思います ●いつも全力で子どもに数学、科学、物理の楽しさを教えていただき大変感謝しておりました ●他の習い事は行きたくないと言う日もありましたが、トゥルースだけは必ず行くと言っていました ●たくさんのロボット教室、科学教室はありますが先生は唯一無二で、子どもと一緒に楽しんでくれる先生に出会えて本当に良かったと思っています ●まず、先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。自分で考えて行動する楽しさ、モノづくりの楽しさをトゥルース・アカデミーで体感できたと思います。〇〇にとっても唯一無二の場所でした ●Truth AcademyのSTEAM教育の方針に感銘を受け、幼少期よりお世話になり、これまで先生方に育てて頂いた事に感謝の気持ちでいっぱいです ●〇〇がレゴブロックを習いたいと言ったとき、私はTruth Academyが近所にあって良かったと思いましたし、近所でなくても通わせたいと思ったくらい理想的な教室でした ●我が家の子育てにおいて、トゥルース・アカデミーは重要な伴走者で、本当に沢山助けていただいたと思っています。ここでの学びは、単にSTEM教育、ロボットプログラミングというだけでなく、人格形成や社会性の成長にも大きく良い影響を与えて下さったと感じています。特に長男はトゥルースに出会わなければ、将来への展望もこれほど明確にはならなかったと思います。やっと時代が追いついて来て、高いレベルの先駆者としてトゥルースが存在しているのは意義深いことだと考えていましたが、それも先生方の情熱と献身の賜物。我々も頼りにしすぎてきてしまったなと反省する気持ちもあります。

その後教室でもロボカップジュニアの会場でも、お会いした保護者の皆様からも「Truthの教育は唯一無二」という言葉を多く頂きました。ブロックサイエンス、リトルダヴィンチ、ロボットサイエンスの全ステップの全授業、夏冬春の特別授業の全てをオリジナルで作ってきた甲斐があったことを改めてしみじみと感じ、私共が行ってきた教育に対し、深いご理解とご協力をいただいたことに、感謝の念しかありません。また同時に、ご期待に応えられない状況になってしまったことに対し、お詫びの気持ちでいっぱいです。

 卒業制作やロボカップジュニア2025ジャパンオープン名古屋と3月末まで活動は続きます。残り僅かな期間になりますが、講師一丸となってTruthらしい授業を最後までご提供いたします。何卒宜しくお願い申し上げます。
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳
中島