~ 混迷する時代に生きる ~
2022年2月から続いているロシアによるウクライナ侵攻は収束を見せることもなく未だ続き、市民の死者は少なくとも10,058人(国連12/11時点)、世界各地に滞在しているウクライナ難民は634万300人(UNHCR1/3現在)達しています。また昨年10/7、パレスチナのガザ地区を支配するハマスによるイスラエルへの攻撃によってガザ側の武装勢力とイスラエルの武力紛争が勃発。パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は1/13時点でパレスチナ側の死者数が2万3843人、負傷者が6万317人に上ったと明らかにし、1/11国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は、約100日間の戦争で1万人以上の子どもが殺されたと伝えています。毎日悲惨な戦場の映像が流されているせいでしょうか、教室では毎回の授業の初めに、「今日のテーマ」という自己紹介の時間を設けていますが、「もし、タイムマシンがあったらどんな時代に行ってみたい?」というテーマに対して、「戦争のない時代に行ってみたい」と答える子が多く見受けられました。また、混迷を極める情勢を象徴するように、正月のテレビの特番や新聞の特集では、毎年行われている新年の展望についての座談会や討論会などがほとんど見られませんでした。
そして、元旦に能登半島地震が発生。続いて1/2羽田空港で日本航空が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突して炎上。2024年は予期せぬ大災害と大事故で幕開けました。未だ地震が絶え間なく続いている中、徐々に明らかになってきた能登半島の被害は想像を絶するものです。地震のメカニズムについても検証が行われ、北岸の広い範囲で地盤の「隆起」が確認され、能登半島では陸域がおよそ4.4平方キロメートル拡大しているとのこと。専門家は「4メートルもの隆起はめったにないことで数千年に1回の現象だ」と述べています。
私は、日本で起きた2つの災害と事故を見て、ある疑問を持ちました。
ロシア・ウクライナ戦争では、「ドローンは現代戦の形を変えた」と言われています。戦地でドローンが果たす役割は、偵察や監視、攻撃まで実に幅広く、両国が大量のドローンを使用していることが報じられました。最近ではAIを搭載したドローン兵器や多数の自律型ドローンを制御する技術も実現されています。しかし、災害後の能登半島は道路が分断され、孤立している集落もあり、物資が届けられていない状況で、「なぜもっとドローンが使えないのか?」。その理由は、通信インフラの障害もあるかもしれませんが、1/2に国土交通省が能登半島全域の陸地を緊急用務空域に指定し、ドローンやラジコンなど無人航空機の飛行を原則禁止にしたことだそうです。捜索、救難活動のヘリコプターなどが飛行する可能性があるためと説明しています。これは、まだ自律型ドローンに求められている安全性への信頼を得ていないことを意味するのではないでしょうか?
羽田空港での事故原因調査は長期化しそうですが、ヒューマンエラーを含む複数要因が重なった疑いが浮上しています。管制官は通常、管制塔から滑走路の状況を目視し、無線で指示を出して復唱してもらうアナログな手法で離着陸を管理しているとのこと。事故が起きた滑走路と誘導路の境には、赤色のランプを備えた停止線灯も導入されているそうですが、これも人間による目視に頼っています。「画像認識AIが、自動運転車、セキュリティシステム、医療画像解析、物体検出と追跡、顔認証、農業など幅広く活用しているこの時代に、大惨事が起こりかねない空港に、なぜ画像認識AIが使われていないか?」。南紀白浜エアポート(和歌山県白浜町)は1/11、富士フイルムとNEC、日立製作所と組んで画像認識AIを使って障害物を自動で検知するシステムの実証実験を始めると発表しました。滑走路の飛行機の運行状況をリアルタイムで画像認識AIを使って監視し、異常があれば知らせるというシステムができるのには、まだ時間がかかりそうです。
そして、元旦に能登半島地震が発生。続いて1/2羽田空港で日本航空が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突して炎上。2024年は予期せぬ大災害と大事故で幕開けました。未だ地震が絶え間なく続いている中、徐々に明らかになってきた能登半島の被害は想像を絶するものです。地震のメカニズムについても検証が行われ、北岸の広い範囲で地盤の「隆起」が確認され、能登半島では陸域がおよそ4.4平方キロメートル拡大しているとのこと。専門家は「4メートルもの隆起はめったにないことで数千年に1回の現象だ」と述べています。
私は、日本で起きた2つの災害と事故を見て、ある疑問を持ちました。
ロシア・ウクライナ戦争では、「ドローンは現代戦の形を変えた」と言われています。戦地でドローンが果たす役割は、偵察や監視、攻撃まで実に幅広く、両国が大量のドローンを使用していることが報じられました。最近ではAIを搭載したドローン兵器や多数の自律型ドローンを制御する技術も実現されています。しかし、災害後の能登半島は道路が分断され、孤立している集落もあり、物資が届けられていない状況で、「なぜもっとドローンが使えないのか?」。その理由は、通信インフラの障害もあるかもしれませんが、1/2に国土交通省が能登半島全域の陸地を緊急用務空域に指定し、ドローンやラジコンなど無人航空機の飛行を原則禁止にしたことだそうです。捜索、救難活動のヘリコプターなどが飛行する可能性があるためと説明しています。これは、まだ自律型ドローンに求められている安全性への信頼を得ていないことを意味するのではないでしょうか?
羽田空港での事故原因調査は長期化しそうですが、ヒューマンエラーを含む複数要因が重なった疑いが浮上しています。管制官は通常、管制塔から滑走路の状況を目視し、無線で指示を出して復唱してもらうアナログな手法で離着陸を管理しているとのこと。事故が起きた滑走路と誘導路の境には、赤色のランプを備えた停止線灯も導入されているそうですが、これも人間による目視に頼っています。「画像認識AIが、自動運転車、セキュリティシステム、医療画像解析、物体検出と追跡、顔認証、農業など幅広く活用しているこの時代に、大惨事が起こりかねない空港に、なぜ画像認識AIが使われていないか?」。南紀白浜エアポート(和歌山県白浜町)は1/11、富士フイルムとNEC、日立製作所と組んで画像認識AIを使って障害物を自動で検知するシステムの実証実験を始めると発表しました。滑走路の飛行機の運行状況をリアルタイムで画像認識AIを使って監視し、異常があれば知らせるというシステムができるのには、まだ時間がかかりそうです。

能登半島地震発生から1週間後、 災害直後にドローンでの物資輸送は全国初という
世界経済フォーラムが1/10に発表した調査報告書によると、リスク専門家らは今後2年間に世界的な危機を引き起こす可能性が最も高い要素として「異常気象」と「誤情報」を挙げました。生成AIを使ったフェイクニュースがさらに大きな問題となりそうです。

グローバルリスク 2024年版
発達はしているもののまだ現実の問題を解決するに至っていない技術、発達することによって逆に社会に対して悪影響を及ぼすことに利用されてしまう技術・・・。混迷する時代に生きる今の子供たちには、日々進歩する知識や技術を身につけ、さらに自分たちが取り巻く世界に侵入してくる新しい技術の正しい利用方法を模索し、現実の問題を解決する新しい技術を生み出す力が求められます。混迷する21世紀を逞しく生きるには、「学習するスキル(Learning Skill)」が重要となります。教えられるのではなく、自らの活動を通して自分の力で知識を獲得し構築する力を育てる―それがトゥルースの教育理念です。
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳