~ AIが生み出すブラックボックスの可能性~
10/9(水)スウェーデン王立科学アカデミーは、2024年のノーベル化学賞をワシントン大学のデイビッド・ベイカー教授と、グーグルのグループ会社で、ロンドンに本社のある「DeepMind」(ディープマインド)社のデミス・ハサビスCEO、研究チームのジョン・ジャンパー氏を合わせた3人に授与すると発表しました。たんぱく質の立体構造の高精度な予測や新たなたんぱく質を人工的に設計できるAI技術を開発し、生命科学の研究や創薬に革新をもたらした功績が評価されたとのことです。AIでヒトの体を構成するタンパク質の形を簡単に予測できるようになることで、その体に効果的に働く薬を見つけることがより簡単になります。がんや難病などに効く薬や、治療法のさらなる開発につながると期待されています。
これで、今年のノーベル賞は、物理学賞と化学賞の両賞がAI研究者に与えられたことになります。AI研究の第一人者である東大の松尾豊教授は、「2日連続のAI関連の授賞は、科学のパラダイム(規範)が変わりつつあるということかもしれない。従来の理論や実験科学から、データやAIを使って新しい領域を切り開く方向にシフトしなくてはいけないという意味合いも感じる」(日経新聞)「科学は今まで、人間が〈仮説〉を立て、〈実験〉をしてトライ&エラーを繰り返すことで〈結果〉を出してきた。それが、AIを使うことで“トライ&エラー”が無くなり、簡単に短時間で〈結果〉が出てくる。ただ、なぜその〈結果〉が出たのか、その部分はブラックボックスになってしまう。しかし、人間の理解を超えた“ブラックボックス”ができてしまうが、今後AIが発展していけば、より一層こうした傾向が強まる。ノーベル賞は“これも一つの科学の形だ”と示した」(テレビ朝日)と述べています。
前回予告しました、ホリエモンチャンネルで紹介された、千葉工業大学未来ロボット技術教育センター(fuRo)所長であるロボットクリエーター・古田貴之氏の「異世界転生」の技術も、このブラックボックスにつながります。fuRoでは、中国製の安価な四足歩行ロボットをトレーニングすることに取り組みました。物理的なロボットをトレーニングするのには時間とコストがかかるので、4096台のロボットが厳しいトレーニングを受け、何千世代にも渡って能力を進化させることができるデジタル空間に仮想環境「仮想世界」を作りました。なんと、2万世代のトレーニングがわずか5時間程度でできるそうです。しかし、問題は仮想世界で学んだスキル(AI)を現実の世界(物理的なロボット)に移行(転生)させるか?―その異世界転生をどうしたら可能となるか?両者では物理法則や摩擦などが異なるのでその違いを克服するため、仮想世界で訓練されたAIが現実世界に適応し、機能するための「ゲート」を編み出したそうです。
これが驚くべき成果を生みました。ロボットはどんな段差の階段を上り下りすることも倒されても起き上がることも自由にできて、どんな段差や障害物があっても自分で巧みに体を操って歩いて行けます。驚くべきは、カメラやセンサーを使用していないことです!ロボットは激しいトレーニングによって培われた「筋肉の記憶」や「反射神経」にのみ依存しているのです!さらに、屋外でも、行き先を指示さえすれば、自分の力でそこまで移動できるのです。屋外において自動操縦でまともに動く四足歩行ロボットは、世界初とのこと。これらは、仮想世界のブラックボックスでAIが自分で身に付けた成果なので、人間にはどのように学んだのかは分かりません。AI自身が見つけた最適解なのでしょう。
これまではセンサーやモーターなど様々な計算に基づいてプログラミングしていたのが、その必要がなくなってしまうのではないか?この「異世界転生」の技術は、ロボット開発の在り方そのものを変えてしまうように思えます。
ぜひ、動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Nx82jnOQDU0&t=2s
これで、今年のノーベル賞は、物理学賞と化学賞の両賞がAI研究者に与えられたことになります。AI研究の第一人者である東大の松尾豊教授は、「2日連続のAI関連の授賞は、科学のパラダイム(規範)が変わりつつあるということかもしれない。従来の理論や実験科学から、データやAIを使って新しい領域を切り開く方向にシフトしなくてはいけないという意味合いも感じる」(日経新聞)「科学は今まで、人間が〈仮説〉を立て、〈実験〉をしてトライ&エラーを繰り返すことで〈結果〉を出してきた。それが、AIを使うことで“トライ&エラー”が無くなり、簡単に短時間で〈結果〉が出てくる。ただ、なぜその〈結果〉が出たのか、その部分はブラックボックスになってしまう。しかし、人間の理解を超えた“ブラックボックス”ができてしまうが、今後AIが発展していけば、より一層こうした傾向が強まる。ノーベル賞は“これも一つの科学の形だ”と示した」(テレビ朝日)と述べています。
前回予告しました、ホリエモンチャンネルで紹介された、千葉工業大学未来ロボット技術教育センター(fuRo)所長であるロボットクリエーター・古田貴之氏の「異世界転生」の技術も、このブラックボックスにつながります。fuRoでは、中国製の安価な四足歩行ロボットをトレーニングすることに取り組みました。物理的なロボットをトレーニングするのには時間とコストがかかるので、4096台のロボットが厳しいトレーニングを受け、何千世代にも渡って能力を進化させることができるデジタル空間に仮想環境「仮想世界」を作りました。なんと、2万世代のトレーニングがわずか5時間程度でできるそうです。しかし、問題は仮想世界で学んだスキル(AI)を現実の世界(物理的なロボット)に移行(転生)させるか?―その異世界転生をどうしたら可能となるか?両者では物理法則や摩擦などが異なるのでその違いを克服するため、仮想世界で訓練されたAIが現実世界に適応し、機能するための「ゲート」を編み出したそうです。
これが驚くべき成果を生みました。ロボットはどんな段差の階段を上り下りすることも倒されても起き上がることも自由にできて、どんな段差や障害物があっても自分で巧みに体を操って歩いて行けます。驚くべきは、カメラやセンサーを使用していないことです!ロボットは激しいトレーニングによって培われた「筋肉の記憶」や「反射神経」にのみ依存しているのです!さらに、屋外でも、行き先を指示さえすれば、自分の力でそこまで移動できるのです。屋外において自動操縦でまともに動く四足歩行ロボットは、世界初とのこと。これらは、仮想世界のブラックボックスでAIが自分で身に付けた成果なので、人間にはどのように学んだのかは分かりません。AI自身が見つけた最適解なのでしょう。
これまではセンサーやモーターなど様々な計算に基づいてプログラミングしていたのが、その必要がなくなってしまうのではないか?この「異世界転生」の技術は、ロボット開発の在り方そのものを変えてしまうように思えます。
ぜひ、動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Nx82jnOQDU0&t=2s
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

異世界転生4足歩行ロボット