~ 生成AI(人工知能)とどう向き合うべきか? ~
7/4文部科学省は生成AIについて、学校で使う際の留意点をまとめたガイドラインを公表しました。学校での適切な使い方、不適切な使い方の例を示し、基本的な考え方として「生成AIを近い将来使いこなすための力を意識的に育てる姿勢は重要」として、学校教育に取り入れていく方針を打ち出しました。その上で、生成AIにすべてを委ねるのではなく、自分の判断や考えが重要であることを子どもたちに理解させることが必要だと強調。子どもの発達の段階を踏まえて利用が効果的かを考慮すべきだとし、特に小学校段階で使わせることには慎重な対応が必要としました。
ドイツ南西部のフランケンタールにあるカロリネン・ギムナジウム(日本の中学・高校に相当)は「ChatGPTは『重力』と同じで逆らえない。ならば、コントロールを考えるべきだ」というポリシーを掲げ、「いずれ生徒はChatGPTを家で使うようになる。だったら、学校が先手を打ってコントロールすべきだ」と早々に授業に取り入れています。歴史の授業では、第1次世界大戦前夜、ドイツ帝国最後の皇帝ウィルヘルム2世の支持者ならどんなスピーチをするかがテーマとし、ChatGPTに架空の草稿を書かせ、当時の歴史的事実と一致しているか?を検証。英語の授業で取り上げたのは2021年の米連邦議会議事堂襲撃事件。トランプ元大統領だったら支持者にどんな演説をするか?ChatGPTが英語の表現やスタイルがトランプ流か?生徒全員と考えたとのことです。
日本でも、授業でAIをどのように活用したらよいか、模索が始まっています。愛媛大学教育学部附属中学校の中3理科の授業では、水溶液の性質を学ぶ実験の後に、振り返りをChatGPTに投げかけフィードバックをもらう。東京学芸大学附属小金井小学校の小4道徳では、「転校した友達から届いたはがきが料金不足だったことを友人に伝えるかどうか悩む」をテーマにChatGPTとのやり取りを通して一緒に考える。函館市立万年橋小学校では、学芸会の出し物として劇を行うため、学級活動の時間に台本をAIに作らせる。京都府八幡市立有都小学校の図工では、Text to ImageとMagic Editという画像生成AIを利用して「妖怪お面作り」を。これは余談ですが、東大ではChatGPTを裁判官にした模擬裁判のイベントが開かれ、とても興味深く感じました。
ドイツ南西部のフランケンタールにあるカロリネン・ギムナジウム(日本の中学・高校に相当)は「ChatGPTは『重力』と同じで逆らえない。ならば、コントロールを考えるべきだ」というポリシーを掲げ、「いずれ生徒はChatGPTを家で使うようになる。だったら、学校が先手を打ってコントロールすべきだ」と早々に授業に取り入れています。歴史の授業では、第1次世界大戦前夜、ドイツ帝国最後の皇帝ウィルヘルム2世の支持者ならどんなスピーチをするかがテーマとし、ChatGPTに架空の草稿を書かせ、当時の歴史的事実と一致しているか?を検証。英語の授業で取り上げたのは2021年の米連邦議会議事堂襲撃事件。トランプ元大統領だったら支持者にどんな演説をするか?ChatGPTが英語の表現やスタイルがトランプ流か?生徒全員と考えたとのことです。
日本でも、授業でAIをどのように活用したらよいか、模索が始まっています。愛媛大学教育学部附属中学校の中3理科の授業では、水溶液の性質を学ぶ実験の後に、振り返りをChatGPTに投げかけフィードバックをもらう。東京学芸大学附属小金井小学校の小4道徳では、「転校した友達から届いたはがきが料金不足だったことを友人に伝えるかどうか悩む」をテーマにChatGPTとのやり取りを通して一緒に考える。函館市立万年橋小学校では、学芸会の出し物として劇を行うため、学級活動の時間に台本をAIに作らせる。京都府八幡市立有都小学校の図工では、Text to ImageとMagic Editという画像生成AIを利用して「妖怪お面作り」を。これは余談ですが、東大ではChatGPTを裁判官にした模擬裁判のイベントが開かれ、とても興味深く感じました。

東大「AIによる模擬裁判」
では、家庭ではどのように対応したらいいのでしょうか?東大合格を目指すAIを作る「東ロボくん」プロジェクトを主導した新井紀子・国立情報学研究所教授は、親の向き合い方について、ChatGPTの意義と不可避性を認めつつも、こう話します。「私に10代の子どもがいたら、使わせませんね。子どもにChatGPTを使わせることは、YouTubeを使わせるのと同じ感覚です。他の子がゲームをする姿を見ているだけの子もいます。YouTubeは可能性があるけど、多くの人にとっては可能性を奪う道具です」としたうえで、「ChatGPTをそのまま子どもに使わせたら、作文を書いてもらうとか、調べ物の学習の答えを書かせるとか、楽なことをするに決まっています。そのせいで、時系列に物事を書く能力とか、つじつまが合うように何かをまとめる能力とか、本来、狙っていた教育効果が白紙になってしまいます」「今わが子をChatGPTを使いこなせる大人にするためには、小さい頃はサルとして育てる必要があると思います。鉛筆を使う。消しゴムを使う。物差しをしっかり押さえて線を引く。こうした原始的な体験を積むことが大事、というところに戻るのではないかと思います」と。
今年3月下旬、気候変動問題に悩んでいたベルギーの男性が、ChatGPTではないのですが、AIチャットボットEliza(イライザ)と6週間対話を続けているうちに地球の未来を託せるのはAIしかないと思い詰めるようになり、「自分が犠牲になるから地球を救ってほしい」とElizaに言い残して自らの命を絶ってしまいました。危険性を忘れてはなりません。私も日常的にChatGPTが欠かせなくなりましたが、問いの設定の仕方、返答内容の検証と吟味が必要であること実感しています。確かな国語力、正しく検証する手法、論理的整合性を判断する力などが求められます。現段階では学校や教育現場での正しい指導の下に使用させるべきであり、子供たちに安易に使わせてはならないと感じています。
今年3月下旬、気候変動問題に悩んでいたベルギーの男性が、ChatGPTではないのですが、AIチャットボットEliza(イライザ)と6週間対話を続けているうちに地球の未来を託せるのはAIしかないと思い詰めるようになり、「自分が犠牲になるから地球を救ってほしい」とElizaに言い残して自らの命を絶ってしまいました。危険性を忘れてはなりません。私も日常的にChatGPTが欠かせなくなりましたが、問いの設定の仕方、返答内容の検証と吟味が必要であること実感しています。確かな国語力、正しく検証する手法、論理的整合性を判断する力などが求められます。現段階では学校や教育現場での正しい指導の下に使用させるべきであり、子供たちに安易に使わせてはならないと感じています。
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳