~ 社会的構成主義を実現する独自カリキュラムと指導 ~
2020年から小学校でプログラミングが必修になることを受け、雨後の筍のように同種の教室が増えてきています。そのような状況の中、2000年からSTEM教育(科学・技術・工学・数学教育)を実践している当アカデミーが依然として他の教室と一線を画す特長はたくさんあります。
その中で最も重要なのは、「社会的構成主義」という教育理論を実現している点です。現在世界の子供たちが求められている学力は、OECDが実施する国際的な学習到達度調査(PISA=ProgrammeforInternationalStudentAssessment)が求める学力、いわゆる「PISA型学力」であることは周知の事実となっています。その育成に最も有効とされる教育が、PISAにおいて学力世界一を誇ったフィンランドの教育です。そして、フィンランド教育を世界一に導いたのが「社会的構成主義」と言われます。一言で言うと、「知識は固定的に教え込まれるべきものではなく、他者との協働の中で構成されていくと考える教育哲学」です。
砕いてお話すると、「構成主義」とは、教師が一方的に知識を与えるのではなく、「学習者としての子供たちが自らの活動を通して自分自身で知識を構築し獲得できるようなものでなければならない」とする考え方です。これに「Leaning by Making(作ることで学ぶ)」という主張を加えたのが、マサチューセッツ工科大学メディアラボの創設者の一人、人工知能の研究者としても広く知られるシーモア・パパートが唱える教育理論「コンストラクショニズム」。パパートは、「デバグの効用」や「推論・実験・検証という正しい学びのサイクル」を唱え、プログラミング教育・ロボット教育の元祖であり、プログラミングソフトScratchの源やLEGOMindstorms®のアイデアを生み出しました。「社会的構成主義」とは、これを分断された個人が行うのではなく「他者との関わりで学ぶ」、すなわち、他の学習者と意見を交換したり刺激し合ったりしながら、その協働の中で知恵や知識を高め、自らの力で目標を達成させる、という考え方なのです。ここでは、教育者の役割はteacher(ティーチャー)やinstructor(インストラクター)として知識を与えることではなく、facilitator(ファシリテーター・促進者)やmentor(メンター・良き助言者)として学習者たちの活動を目標に向かって正しく進めるように導くことになります。
「21世紀型スキル」を育成するには、プログラミング教育やロボット教育は不可欠です。しかし、ICTスキルの育成にだけ軸足を置いては、単なる教科の学習と何ら変わりはありません。創造力・イノベーション・批判的思考・問題解決・意思決定・学びの学習・メタ認知(認知プロセスに関する知識)・コミュニケーション・コラボレーション(チームワーク)・地域と国際社会での市民性等を含む「21世型スキル」やPISA型学力をも育成するには、「社会的構成主義」が避けては通れないと確信しています。そのため、既存のカリキュラムでは実現できないので、パイオニアとして、全カリキュラムと授業案、ワークシートをオリジナルで作成し、他にない指導を20年以上にわたって実践し続けているのです。
お蔭様で、Truthの授業を見学したり指導者養成講座を受講したりした学校の先生や教育関係者からは、「理論と実践が完璧に一致している」と評価をいただいています。また、教室での活動を拡大して行うNPO法人科学技術教育ネットワーク(略称NEST)では、ICTを活用した教育実践事例のコンテスト「ICT夢コンテスト」でも、「ICTを活用して社会的構成主義を実現する活動」として認められ、3年連続CEC奨励賞を受賞しています。
Truthには、21世紀に求められる新しい教育があります。